NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト
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政府機関 03 青年海外協力隊帰国後 女性
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その6. エジプトに派遣されて・・・
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山本 ここでやっぱり触れなきゃいけないんで、あのー青年海外協力隊のネガティブな側面にもある程度触れたいんですけれど。別にあなただけに限らず、えーまー、いっぱい100人以上は知ってるんですけれども、行った人がですね、行ってみたら聞いていた案件と内容が大分違ったということが、少なくとも半分以上が・・・。
壽 あー、あります、あります(笑)
山本 本当はもっと多いんですけれども。えーその辺はどうでしたかね?
壽 その辺はですね、ありましたね。やっぱそのー、見られている目線がちょっと下だったなっていうのはちょっと思います。私の案件には・・・
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山本 教師のTrainer of trainersになるようなことも書いてありますよね。
壽 そうそうそう、書いてあるんですよ。でも実際に行って、私が施設長に、私はこういう風にしたいから、あのー会議にもね、私を呼んで、みんなの前でこう、「私はこういう風にやりたいです」っていうのを発表したいって言って。流されるんですよね、今度ねみたいな感じで。そこでもちょっと強く言わなかった自分もいけないんですけど。でー、うん、何かやってるんだねー、彼女はっていうのはあっても、彼女が私たちに教えてきてくれたっていうよりは、むしろ何かエジプトのいいところを学びに来てくれたんだって。逆なんです。私たちの保育を学びに来てくれたんだって(笑)
山本 あ、そうなんだ、あーなるほどねー。となると、えっと青年海外協力隊は、その現地の同じエジプトの保育園にいる職場の同僚のエジプト人の先生たちは、あなたのことをボランティアとして認識して・・・?
壽 しては一応いましたが、ちょっと理解はできないようでした。エジプト・・・
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山本 で、ボランティアっていう概念はエジプトにはあるんですか。
壽 ない、ないです。ないですけど例えば学生、それは幼児教育科にいる学生が、数日間だけあのー実習みたいな、保育実習はあるんですよ。
山本 それは大学生?
壽 大学生。大学生が数日間幼稚園に行って、そこで・・・
山本 手伝いをすると。
壽 手伝いをするというのはあるんでけど、それがボランティアにするには向上心がまったくない学生なので。うーん、こう見たらボランティアって言うのは・・・。一応アラビア語としてはあるんですよ、その言葉は。
山本 なんて言うんですか。
壽 ムタタビア(笑)
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山本 ムタタビア?エジプトは英語の植民地でしたから、イギリスの・・・
壽 ね、どうなるんだろう?その言葉。
山本 なるほど。じゃ、やっぱ大学生がたまに手伝いに来てるけど、あまり役に立たないのがボランティアだと思ってると、悪く言うと、あなたのこともその程度だと思っていた可能性も。
壽 はい、ありますね。
山本 少し、一つの側面としてはあるかも知れないってことですよね。・・・なるほど、でもまー、ボランティアだねー、やっぱり理解できない。
壽 ありますよー、それは。うん。
山本 そうですよね。
壽 だって日本だって浸透したの、この数年、数年って言ったら大げさだけど、うん。
山本 まーそうですね、せいぜい10年前くらいってところですもんね。
壽 はい、うん。
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山本 わかりました。まーいいや。えーで、あとはもう一個。行ってすぐに職場ありました?っていうか、えっとまずエジプト行くじゃないですか。行くと普通最初の1ヶ月間くらいは、なんて言いますか、仕事前の研修みたいなのがあって。
壽 えーえーえー。
山本 例えばそのーJICAのオフィス行って、外務省行って、その国の政府の関係の教育なんたらを回るとかですね、そういうのありました?
壽 はい、あいさつ回りと、あと1ヶ月間はエジプトの雰囲気を知りましょうって感じで語学研修もあったし。
山本 えー。ホームステイみたいのもある場合もあるようなんですが。
壽 あー、うちはなかったんですよ。
山本 あーそうなんですか。
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壽 はい、約1ヶ月あったかなーくらいの語学研修があってから、みんなそれぞれの派遣地に行ったので。
山本 ふんふんふん、なるほど。
壽 私たちはホームステイではなく、隊員ドミトリーで、みんなで共同生活してました。
山本 なるほど。何人くらい行ったんですか、隊員ドミトリーって。
壽 私の同期は5人です。
山本 じゃ、その5人が寄宿舎にいたと。
壽 はい、そうです。
山本 なるほどねー、そっかそっか。1ヵ月後から始動していってみて。一応、あなたの場合は職場と働く場所があったんですね。
壽 はい、ありました。
山本 それはまだ幸運なケースですね、はっきり言うと。
壽 そうなんですよ。私はなんでかっていうと、私は後任なんですね。前任者がいて。
山本 いたケースですね。
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壽 はい、彼女が土台を作っていてくれていたんですよ。
山本 その彼女とは会ってるんですか。
壽 今は会ってないですけど、会ったことはあります。後は・・・
山本 入れ替わりのときに申し送りとかはあったんですか。
壽 あー、はないです。
山本 それはないんですか。
壽 むしろ私も聞きませんでした。聞いたら、それだけのレベルを自分でノルマを課してしまうって思ったし、なんか彼女のようにやらなくちゃいけないっていうような、目標って言ったらおかしいけど、なんかそれが変についてまわるような気がしたんで。あえて活動は聞かなかったし、うん、アドバイスも求めなかったんですよ。だからある意味、良かったのか悪いのか、引継ぎはしてないですね。
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山本 引継ぎはしてないけれども、彼女がいた場所はあったってことですね。
壽 はい、うん。
山本 なるほど。
壽 ただ使える道具とかは、あのー私が置いてくからもしそれを使うなら使ってねっていうふうには。
山本 Eメールなんかで来たと。
壽 はい。
山本 使える道具っていうのは、クレヨンとか絵の具とかそういう話ですね。
壽 そうです、そうです。はい。
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山本 そういう話ですね。わかりました。えーっとその、5人隊員がドミトリーが一緒でしたけども、そのうち行ったけれども、働く場所が、話が違ってなかったって人いました?
壽 みんな実は5人とも保育士なんですけどー。えーっとそれはなかったけど、どのように動いていいかわからないっていうのはありましたね。別に自分のクラスがあるわけでもないし、先生たちも、なんかこう日本から女の子が来たわー、こんにちはーみたいな感じになってて。誰一人、別に指導者とも思ってないので、自分のいる、その何・・・。
山本 やる時間帯が決まって・・・
壽 うん、が決まってなかったし。
山本 あなたの場合もですか?それとも他の人がですか。
壽 他の人が。
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山本 あなたの場合は一応その趣味っていうのがあったわけですね。
壽 はい、ありました。むしろもう行った初日から「じゃー、美和の時間はこの日だからよろしくね」みたいな感じで。えー、どうしよーって。
山本 でも、いやーそれはいいと思いますよ。だってその趣味のもし時間がなかったら、あなたは校長先生とかけあったりして。
壽 そうです、そうです。
山本 自分の時間を獲得する努力をしなければならなかったので。まだ私が知ってるケースに比べると恵まれてると思いますね、なるほど。
壽 はい。
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山本 それを2年間やるんですけども、まーJICAって5回か6回、途中でレポートみたいのを書くじゃないですか。
壽 はい、報告書を。
山本 えっと、1回目はいつ書くんでしたっけね。
壽 3ヶ月度後です。3ヶ月後、6ヶ月後、1年後、1年半ってあったかな。待って、1号2号3号4号、そうだね。えー3ヶ月、6ヶ月、1年、1年半、2年か。
山本 だと5回ですね。なるほど。
壽 はい。
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