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民間組織 02 日本赤十字社・事業局国際部 グランデさん、31歳

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インタビュー 中川

書き起こし 深井

校正 ご本人

監修 山本

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その5. 大学時代〜旅行・就職活動

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中川 大学は2年まで音楽系の活動を?

グランデ はい、オーケストラです。2年の1月くらいまでですね。

中川 その後、残りの大学生活では何か部活などは?

グランデ 1年間くらいブランクがあったあとに、また地域の社会人オーケストラに入って、チェロは細々とは続けていました。あとはとにかく海外旅行をしたかったので、アルバイトをしていましたね(笑)、はい。

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中川 どこか在学中に旅行で回ったんですか?

グランデ はい。やはりスペイン語を勉強していたので、まず大学2年から3年になる春休みにスペインを旅行しました。大学の友人と3週間くらいスペインをくまなく回って、あとモロッコにも一日だけ行きました。そのモロッコというのもカルチャーショックでしたね。「全然違うな」という感覚がありました。

中川 はい。

グランデ あと、その後どうしても中南米にも行きたくなってしまいました。元々スペイン語を選んだのが、メキシコでの強烈な体験でしたからね。ただ、そんなに器用ではないので、バイトをしながらオーケストラを続けることは自分にはできなくて、もうどっちかしかないと考えて、中南米に行くならやっぱり、バイトをもっとやらなきゃいけないなって思いました(笑)。

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グランデ それで半年くらい、郵便局の深夜バイトとかやってお金を貯めて行ったのが、南米アルゼンチン、ウルグアイチリですね。南米の中でもヨーロッパ的な雰囲気のある国ですが、アルゼンチンの北の方はボリビアとかの影響もあって、アンデスの「インディヘナ」、つまり先住民の人たちもいて、結構それが面白かったですね。あとは学生時代の最後に、それより北の南米大陸、ボリビア、パラグアイ、ペルーを旅行しましたし、初めて東南アジアにも行きました。

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中川 なるほど。スペイン語は初めにスペインに行ったときには、スペイン語で会話が成り立つくらいには語学力はあったんですか?

グランデ 旅行の時に?

中川 はい、そうです。

グランデ そうですね、旅行での会話なんて、ちょっとしたブロークンで通用しますので。スペイン旅行中は、英語を使うことなく、とりあえずスペイン語だけで旅行しました。現地の人と友達になることぐらいはできました。

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中川 南米に行くときも、会話には特に困ったことはなかったんですか?

グランデ そうですね、スペイン語だったので、特に困ったことはありませんでした。スペインを旅行したときは、初めての個人旅行でしたが友達が一緒で、その時に旅行で使うスペイン語や個人旅行のノウハウをある程度自分の中で身に付けたような気がします。それで中南米に行ったときは初めての一人旅でしたが、語学面では全然問題ありませんでした。大学の友人の家族がブエノスアイレスに住んでいて、その人達にもお世話になったので、無理なく旅行ができました。

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中川 国際協力を目指して、英語を今、在学中に勉強している人は結構いると思うんですが…。英語はスペイン語と同時に勉強していたんですか?

グランデ そうですね、大学入試くらいが第一のピークだったと思います(笑)。

中川 (笑)

グランデ 大学の専攻語の授業、我々であればスペイン語の授業が結構厳しかったんですよ。スペイン語の授業が毎日ありました。週に6コマですが、週休2日だったので毎日1コマ以上ありました。語学の授業は予習しないと授業についていけないところがあったので大変でしたね。だから、大学1〜2年の時はスペイン語だけで精一杯で、英語が疎かになっていました。

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グランデ ただそうは言っても、英語の重要性は色々な人から聞かされていたので、大学の英語の授業だけでは不十分だと考え、英会話教室に通いました。

中川 英会話はどのくらい行ってたんですか? 結構長い期間、通ってらしたんですか?

グランデ 週に1回くらいでしたが、それを3〜4年間ぐらい続けたと思います。実は、現役で大学に入って、大学も4年間できっちり卒業してしまい、そのまますぐ日赤に入って国際部だったので、やはり入ってからも英語は勉強しましたね(笑)

中川 なるほど。

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グランデ はい、だから私は留学経験もなく、かなり特殊な経歴を持っていると思います。この業界の他の人に比べれば。

中川 えっと、卒業後なんですが、日本赤十字社を見つけた経緯というものは、どういう流れになるんでしょうか。

グランデ そうですね、就職活動は他の人と同じようにやっていました。ちょうど「就職氷河期」、バブル後すぐの氷河期がちょっと解け始めた、まだ「就職協定の廃止」とかなかった時代です。当時はEメールやインターネットを就職活動では使わなかった時代なので、葉書を書いていました。他の民間企業も受けていた中で、やはり国際協力にも興味があって、そのような分野も狙っていました。

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グランデ 6月のある日、大学の就職部にあるファイルで日本赤十字社のファイルを見つけて、そのファイルを取ってみたら、海外の国際活動だけじゃなくて、国内の活動もやっているっていうのが書いてありました。そこに惹かれました。

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グランデ そこには業務項目が書いてあるだけで詳しい情報がなかったので、とりあえず葉書を書きました。時代が違いますね(笑)。その時はもう6月なので、当時でも遅い時期だったと思います。葉書を出した後、担当の方に「明日最後の説明会があるので、もし良かったら来ませんか」という連絡をいただいて、説明会に参加させてもらいました。なので、葉書を出すタイミングがあと一日遅かったらダメだったかもしれないですね。

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中川 ちなみに就職活動のときには、国際協力系の団体は政府系や国連系や他のNGOなどもあると思うんですけれど、他のところも受けたんですか?

グランデ 結局これは、多分他の人も同じだと思うんですけど、国連とか、NGOは新卒では取らないところが多いですよね。ですから、そういうところは初めから今の自分では無理だろうと思っていました。受けるとしたら政府系の団体だろうなって思って、そういうところにはアプローチし続けていました。ただ結局そういうところの採用試験が始まる前に日赤の採用に内定したので、最終的には試験を受けることはありませんでした。

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