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よくある質問への回答 FAQ

Q.青年海外協力隊について、詳しく知りたいのですが

A.詳細は、その公式ホームページをご覧下さい。
また、紙の媒体である小冊子も配布されています。無料でもらえます。応募条件は、日本国籍があり、20歳から39歳まで、心身ともに健康であること。このうち最後の、健康であることが最も重要。頭痛もち、女性の月経困難症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、精神疾患などは落とされる原因になるかもしれません。語学力は派遣前の3ヶ月間教わるので、あまりうるさくありません。もちろん英会話力はあったほうがいいですが。

春と秋の応募があり多数の人が応募します。1~2000の間の案件がありますが、その5~6倍の人が応募し、倍率はかなり高いのです。何も考えずに応募しても落ちる可能性が高いです。このため、一度落ちても、めげないで、半年ごとに、数回は受験することをお勧めします。一発で通りたければ、それなりの対策が必要です。まずは、倍率の低い職種に応募するのが、最初にやるべきことです。具体的には、

教育文化部門「小学校教諭」2.4倍、「理数系教師」2.8倍、「幼稚園教諭」3.5倍
(注:技術系教諭の募集は少ないが、1.3倍、家政も2.2倍)
保健衛生部門「保健師」1.9倍、「理学療法師」2.2倍、「養護」2.4倍、「助産師」3.1倍
(注:看護師は人気があり、6.5倍と高倍率、医師の募集は例年ほとんどない。)
農林水産部門「養殖」2.1倍、「家畜飼育」4.0倍、「野菜」4.7倍
加工部門「木工」3.0倍、
保守操作部門「自動車整備」2.5倍
土木建築部門「建築」4.8倍
スポーツ部門「体育」3.3倍

以上は、平成17年春の結果に基づくデータなので、最新のデータを自分で入手して下さい。目的の職種を決めたならば、その職種に応募するために、職業訓練校や、専門学校などに行った人もいるくらいです。溶接、や、竹細工、などを習得して、派遣された人たちもいます。そこまでやるかどうかは、みなさんの考え方次第です。ともかく、一般論としては、教職があったほうがいいです。看護師の場合は、助産師か保健師をもっていないと、受かりにくいです。

以上のような、一芸(いちげい)を持っていない人のために、4つの職種があります。なんの取り柄もない、健康だけが取り柄の人でも、応募できます。それらは、以下の4つです。

村落開発普及員(6.5倍)、青少年活動(20倍)、エイズ教育、日本語教師。

こうした誰でも応募できる職種は、一般に、当然倍率が高いです。エイズ教育は、コンドームを使う、などエイズの予防法などを教育する係りです。日本語教師もエイズ教育も、数十時間の講習を受けることで、誰でも応募できます。

さて、次にやるのが、試験対策です。一次は筆記、二次は面接と実技、です。一次試験のほうは、過去門が書籍でも、インターネット上でも売っています。実際の試験の問題数が、やたら少ないので、かなり運の要素が強いです。ともかく、一次試験は、事前に勉強を。二次試験のほうは、面接での答弁が、合否を分けます。自主性と協調性のバランスが取れている人が、採用されます。自己主張が強すぎる人も、弱すぎる人も、ダメです。優等生的な発言に徹して下さい。合格すると、福島か長野の合宿所で、3ヶ月間弱の研修があります。集団生活、隔離生活の訓練を受け、ここで主に現地の言葉(英語・フランス語など)を勉強します。無料の講習で、語学が勉強できるのですから、こんな美味しい話しは、ありません。以上、健闘を祈ります。

最後に、青年海外協力隊の、欠点の部分も、話しておきます。
1.実際に派遣された場所で、自分が思うような活動ができる人は、1割程度。8割はもんもんと努力。1割は家で寝てる。

2.2年間の派遣が終わり、その後も国際協力を続けている人は、1割未満。9割は、国際協力を辞めてしまう。

3.青年海外協力隊から帰った後に、日本での就職場所に困る人が多い。大学新卒ではない、自主性が強すぎる、などが原因。

4.外務省の提唱する「人の見える援助」、「日本のプレゼンス(存在)を示す」ことが目的なので、その活動内容は、問われない。

5.青年海外協力隊の派遣数を増やし、日本の援助を見栄えよくするために、実際は必要ない地域からも要請がくる。すると、行くと仕事がない。

以上の対策を、述べておきます。

1.社会人としての勤務経験を5年以上もってから、青年海外協力隊に行くことを、お勧めしておきます。理由は、学生を卒業したばかりでは、社会でのコミュニケーション能力が、事実上ないこと。このため、トラブルを起しやすい。もうひとつは5年の社会人経験があると、2年の青年海外協力隊から帰国した後も、この仕事ができる、という経歴があるので、再就職しやすい、ということです。

2.国際協力の世界は、やってみるとわかりますが、かなり汚い世界です。人間の半分は良い人、半分は悪い人です。というか、ひとりの人の中に、良い心も、悪い心もあります。援助する側にも、援助される側にも、非常に悪い人がいます。そういう事実をまのあたりにすると、国際協力をするのが、いやになります。「なんで自分はここに来たんだろう?」と悩んでしまいます。そうした時に、それでも、せっかく来たんだから、と、「本当に意味のある国際協力」を目指してがんばって最善を尽くしていく、強い心が必要になります。

この、本当に意味のある国際協力とは何か?、を考えるきっかけになるのが拙著の2冊の本です。

世界で一番いのちの短い国」(白水社)

アフガニスタンに住む彼女からあなたへ望まれる国際協力の形」(白水社)

この本を2冊とも読んでから、派遣されることをお勧めします。あらゆる悪いことが書いてありますので、これを読んでからいけば、少々のことでは、動じなくなります。一方で、3分の1は、ギャグにしてありますので、笑いながら短時間で読み進めます。以上、まとめますと、青年海外協力隊、という場所を、有効に使えるかどうかは、みなさんの事前準備次第、です。

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