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01:国連かJICAで教育系を

第1章 目的意識(GOAL)の確認

「ピクミン」さん 24歳 女性

プロの国際協力師になる確率、85パーセント
国連、JICAなど、給料をちゃんともらえるところを希望

山本(以下Y): 今日は、よろしくお願いします。まず、自己紹介をどうぞ。

ピクミンさん(以下P): 来月で24歳、塾講師を4年やってます。(2006年11月現在)

Y: 今回は、GROWモデルという方法でアドバイスをしていきます。
GROWモデルというのは、
1.GOAL(目的意識)の確認
2.RESOURCE(本人の資質)の確認、REALITY(現実)の認識
3.OPRIONS(選択肢)の選出
4.WILL(強い意思)に基づいた、今後の具体的予定の宣言
という感じです。とりあえずやってみましょう。国際協力に多少なりと興味があるので、うち(宇宙船地球号)でボランティアをやってくれてるんだと思いますが、将来、どの程度やりたいですか?

P: 一生です。

Y: すごいね。それはあなたの希望だよね。現実問題として、実際にできる可能性は何パーセントぐらいだと思う?

P: 75パーセントぐらい。

Y: こういったことをやろうと思ったきっかけはなんですか?

P: 今、塾で講師をしてて4年目なんですけど、小さな子どもたちと接して、みんな可能性がたくさんあるなと思って。それから私は淡路島で育ったんです。幼少の頃から母に、「とにかく外を見なさい」ってずっと言われていたんですね。「こんな(小さい)島の中のことだけ考えてちゃだめよ」って。

Y: なるほど。
1.塾での経験で子どもの可能性に気が付いた
2.お母さんに、こんな小さい島のことだけ考えてちゃだめ
と、言われていた。すごいお母さんだね。お母さんは、何をやってるの?

P: 公務員です。市役所の「分所」みたいなところの窓口です。父は消防士です。だから、ふたりとも地方公務員。あと、姉がひとりいて、地方公務員をしています。母の隣りの職場です。

Y: なるほど。目標は、一応、教育系なんだね?

P: そうです。やはり幼少時にどんな教育を受けたかということが、その人の考え方にすごく影響すると思うんですね。ですのでやはり、教育系をやってみたいと思います。

Y: なるほど。では、幼少時にどんなことを教えると「いい」と思ってるの?

P: やはり基本的なことですよね。人の物をとってはいけないとか。勉強と言うよりは、そういう・・・

Y: 倫理?

P: そうです。例えば本を読んでいると、争いごとがよくあるみたいだと思うんですが、もしその人がもっと違った教育を受けていれば、そういう考え方にはならなかったんじゃないのかと。

Y: 争いを防ぐためのなんらかの倫理、とかね?

P: そうです。

Y: それは非常に正しいね。要するに、「人のものをとるな」とか「争いを防ぐためのなんらかの倫理」などを小さな子どもに教えたい。というか、それをまずピクミンさんが勉強するところからはじめる。ということだね。

Y: 俺はよく国際協力を5つの分野に分けていて、
1.政治(戦争防止、難民・人権関係、国際法制定、など)
2.経済(貧富の差を縮める、など)
3.教育
4.医療と公衆衛生
5.環境
なんだけど、あなたの話しは、1.の戦争防止と、3.の教育に絡むね。

P: はい。

Y: あとは将来就職したい職場だけど、
1.国際機関(世界銀行、アジア開発銀行、など)
2.政府機関(JICA,JETRO,外務省、など)
3.民間組織(NGO,NPO、開発コンサルタント、など)
4.一般企業(CSR,SRI,など)
5.その他(大学、病院、芸術、スポーツ、など)
とした場合、どこが希望ですか?

P: 国際機関と政府機関です。

Y: なるほど。これについてはまた後で詳しく。それからあなたの場合、国際協力以外にどんな選択肢があるの?国際協力をやってみたい人でも、他にもやってみたい何らかの職業があったりする。たとえば、外資系のキャリアウーマン、芸術系、あとは結婚して主婦になり子どもを育てるとか。

P: いろいろ考えた末に、自分はプロの国際協力の世界で教育系をやりたい、と。

Y: 他のことは現在、ほとんど考えてないってこと?

P: そうです。むしろ来年の就職先は・・・という感じなので。(苦笑)

Y: 何に決まったの?

P: 塾の室長です。授業は担当せず、教室のマネージメントなど。

Y: 管理者側なのね?それはあなたのやりたい仕事なの?

P: いいえ(笑)この1年で考えるとちょっと違うかもしれない。でも正直、とにかく就職を決めないとっていうのがあったので。

Y: そりゃそうだよね。食べていかないと。

P: JICA(※1)の正職員募集試験も受けましたが、受かるわけなくて(苦笑) JETRO(※2)も受けました。その時はイメージで、その組織が何をやっているかもよくわからないままに受けてみて、落ちてガクンとなって。今思えばとんでもない。他にも何ヶ所か受けてほとんどダメで。最後に残ったのが塾の室長。

(※1)JICAとは、日本の政府機関の、国際協力団体で、国際協力機構。最近、独立行政法人になった。職員は国家公務員として開発援助をする。JICA職員は、大卒で受験できるため、受験自体は敷居が低く、プロとして国際協力をやりたい人には、第一選択になりやすい。しかし、実際は、大学新卒での倍率は40人/1000人で、25倍。よほど英語が堪能であるとか、留学していたなど、売りが必要。なお、中途採用(社会人採用)の枠もあるが、こちらは25人/400人で、16倍前後。採用には専門性、海外勤務経験など。
(※2)JETROとは、日本の政府機関の、日本貿易振興機構。下部組織に、アジア経済研究所(アジ研)などもある。

Y: では現在の状況をまとめると、ともかく国際協力をやりたい。そして、決まってる就職先はあるけれども、あまり乗り気ではないということだね?

P: そうです。でも、大学院に行くお金も貯めなければいけない。

Y: そらそう。最低でも2~300万円貯めないと大学院いけないからね。

P: 生活もしなければならない(苦笑)

Y: 「世界と恋するおしごと」読んだって言ってたけど、どの程度読んだ?普通、自分の興味のあるところしか読まない人が多いんだけど。

P: 私はひと通り全部読んで。読んだ後に、どの人もすごい高学歴の人なので、とにかく自分に似たような方、一流大学ではない人はいないかと思って探したんです。そうしたら、日本最大のNGOの女性だったのですが・・・

Y: ピースウィンズジャパンの柴田さんだ。あまりいい大学を出ていない、ということであれば、開発コンサルタント会社のコーエイ総研の杉山さんだな。彼もかなり苦労した後に、開発コンサルタントになった。日本の政府のODA(政府開発援助)からお金をもらって国際協力をやるパターンね。月給が35万円前後もらえるから、あなたの場合には、最有力なのがこの開発コンサルタント会社(に就職することだと思うよ。教育もやってるし。

P: 考えたことありませんでした(苦笑)

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