章: 1 2 3 4 5 6 7 8 9
09:将来は国際精神保健を
第7章 どう国際協力をするか、どう次に伝えていくか・・・何が生きるかわからない
山本(以下Y): で次に、私の場合はちょっと違っていて…、私は今、国際協力やりたい人に、「国連とかJICAとかNGOっていうのがありますよ」っていうような方向を示すだけではなくて、一般の…例えば会社員になった場合、にどういった国際協力ができるのか。あとは消費者で、「買い物をする時にどういう国際協力ができるのか」っていうことも提言してますよね。
スコーネさん(以下S): うん。
Y: それと私が日本で普通に、金を稼いで、普通に日本のスーパーとかコンビニで買い物する時に、どういう感覚で消費者は買ってるのかっていうことを、私は身にしみて知っておく必要があるんですね。
S: うんうん。
Y: 極端に言うと、私がやってることっていうのは何だっけ…、あのー例えば、100円の鉛筆かうよりも、植林…リサイクルに配慮して、植林をしている木で作られた鉛筆は130円かかりますと。
S: うん。
Y: 「100円の鉛筆よりも130円の植林してる…えー楓で作った方を買ってください。」みたいなことを言ってるわけですね。っていう感覚も、私は持っていたいんですよ。
S: うん。
Y: えーですから、そういうことを啓蒙(けいもう)する以上は自分もそういう感覚を持っていたいので、あのそういうお金で苦労してるっていう部分では、自分では、持っていたいんですよね。だから何を…、私の場合は、通常は欠点であるはずの「お金がない」という、えー部分は、逆にメリットといいますか…かわりに必要な部分だな、と。メリットだな、とすら思ってますので。 あのー人生けっきょく何に価値観をおくかってことですよね。
S: うんうん。
S: あと…、ずっと先…私がおばあちゃんになってからくらいかもしれないんですけど、
Y: はい。
S: こう、まぁいま先生がやってるみたいにインターネットとか…メディアの媒体を通じて、こう、色んな啓蒙活動というか…メッセージを送るということとか、あとまぁ単なる自分の記録かもしれないですし、わかんないですけど、まぁ文章とか書けると、こう人に、伝わる人がより増えるなぁ、思うんですけども、
Y: はい。
S: そういうのって……、うーん…質問するのもちょっと馬鹿げてるのかもしれないですけど、あの、こう人に伝えやすい…人に伝える技術みたいなのって学ぶ方法ってありますか…?
Y: いや~………。…。まぁこれは難しいですね。
Y: 基本的には、実は私はあの徹底的に自己批判がものすごく強い人で、
S: うん。
Y: 自己満足を嫌う人なんですね。でよく、あまりにも厳しすぎるんで、自己満足がなかったら、例えば、国連・JICAは金もらえますけども、NGOはお金がもらえないので、自己満足という部分をなくしたら、やる人いないじゃん、ということで、厳しすぎるって叱られて最近まるくなったんですけども、要するに、徹底的に自分のことを批判することですね。例えば私、年間50回の講演やってますけども、必ず、紙に感想書いてもらってるんですよ。3つの質問をして。1 何が印象に残りましたか2 質問はありますか3 今回の講演で私の悪かった所は何ですかって質問してるんですよ。ではっきり言って、時間がないときはその3番目だけを読むんです。で、えー私は2度と同じ講演をしない人なんですけども、あの必ず改善して、次に活かすっていうことをやった結果、今の私の年間50回以上やってる講演は、あ、UNICEFの国際協力養成講座っていうの見てるんですよね?
S: うん。
Y: だから5年前くらいに私がやってる講演を今の私がやってる講演では全然変わってますよ。要するに…自分が自慢話するんじゃなくて、自分の感想言うのでもなくて、聞いた人にとって、役に立つことをしないといけないんですよ。
S: うん。
Y: しかもその対象者の立場・年齢にあわせて。だから消費者に喋るときは全然ちがうこと喋ってますし、企業でも全然違うこと喋ってますし、文系の学生にも全然違うこと喋ってますけどね。
Y: あのー、っていうようなことを、徹底的に訓練、自己批判をし続けることによって、もちろん厳しいことだけじゃなくて、例えば小学生に話すときはギャグかまして、セーラームーンとかウルトラマンとか言いながらやってますよ。で、そういうおどけた部分…ギャグも含めた上で、あのー、聞いてる人のレベルに合わせて、しかも40分でも2時間でも、飽きさせないように音楽を使ったり、映画も…今つくってますけども。あのーあらゆるものを使いながら、あのー…やると。
S: うーん。
Y: 徹底的な自己批判と自己満足を除くっていうのが私のやり方です。
S: うーん。
Y: だからといって固くなるわけじゃくて、ギャグも使ってますし、音楽も使ってますし、あらゆるメディアを使うのが、私のやり方です。
Y: あと文字の方は、やっぱブログじゃないですかね。先生の段階じゃまだ早いと思いますけど、実名ださずにニックネームでブログを書いて、その反応とか一応みてるっていうのは、最初の段階ではいいんじゃないですかね。私も最初(ニックネームで)やってましたよ。今のように実名でやってないんで、某ペンネームを使ってやってた時期が長かったですね。で、医療相談みたいなことやってましたよ。
S: んーじゃあ機会をたくさん増やして、対象を広げて、フィードバックして…、
Y: だからフィードバックをどれだけ増やせるかですよね。
S: うん。
Y: 私がだって、800人の前で講演すると、800人に批判されるわけですよ。ぼろくそ言われますよ、はっきり言って。だからはっきり言って9割は褒められるんだけど、1割くらいの人はぼろくそ言ってきますよね。
S: うん。
Y: それを必ず直すってことですよね。
S: じゃあまず数…まぁ何しろ数ー…、
Y: フィードバックの数をとにかく、いかに自分に増やせるかって言うのが…一番重要だと思います。
S: うんうん…。
S: まぁこれはすごい先の話なんで…、あれなんですけど…、
Y: はい。
S: まぁなんかこう、自分ひとりでやってるのもいいんですけど、それを…、まぁいつか自分も死んじゃうしと思うと、次の人とか隣の人とかに、なんか、何かのきっかけになったらいいなっていうのは…、まぁいいんじゃないかなと思うんですけど。
Y: そうですね。いやまあ最終的にはあのー、どこかの段階から、周りであのー、自分でやってきたことを踏まえて、やる人を増やすていうのが必要になると思いますね。
S: うーん。
Y: それが早い人もいれば、相当遅くから始める人もいれば、全然やらない人もいますけど。
S: うん。
Y: まぁどれがいいかはわかりませんね。
S: あと先生たくさん写真を撮ってらっしゃって、まぁもともとお好きでやってらしたと思うんですけど・・・、
Y: そうですね。ええ。
S: それもすごく効果的な方法なんだと思うんですけども・・・。
Y: はい。やっぱり映像使うのは、人を飽きさせないための方法のひとつとして、かなり有力だと思いますね。ええ。写真は・・・そうですね。はい。
S: きっかけはたまたまやってたっていう・・・って感じなんですか?
Y: ええ。そうですね。中学の頃から撮ってまして、えっと自分がその国際協力の分野で、写真を使えるようになるとは夢にも思ってませんでした。たまたま結果的にそうだったというわけです。
Y: これは何ともわからないですね。例えばわたし趣味で、将棋とかやって・・・私5段もってますけども、あの必死にやったことで、あの将棋はいま全然やくに立ってませんし、逆に写真も必死にやってましたけども、真面目にやってましたけども、あのーまぁ偶然やくに立ちましたよね。だから10こくらい、若い頃がんばってたことがあって、そのうちのいっこが役に立ったという程度なので。別にラッキーとは思ってないですね。うん。無駄になったことの方が圧倒的に多いですから。
S: 逆に、「これやっとけばよかった!」て思うことってないんですかね・・・?
Y: いやー・・・それも価値観の違いで・・・うーん・・・。やっぱ英語ですね。やっぱりね。
S: うーん。
Y: あのー、結局、ある段階から、あのー・・・自分ひとりじゃなくて、この政策提言ていうのが必要になるんですよ。あの最初はNGOでもいいんですけど。
S: うん。
Y: 要するにその国全体を動かすとか・・・、その、インターナショナルスタッフが・・・要するにイギリス人もフランス人もアメリカ人もみんなごちゃごちゃにいる中で、英語で会議になったときに、・・・私一対一なら喋って、結構ディスカッションでも曲げられてしまうんですけど、10人くらいの色んなインターナショナルの人が、方言のなまりとかごちゃごちゃの中で、バァーーっと喋るわけですよね。
S: うん。
Y: するとね、わかんないです。正直。私は、悪い・・・あのー、私の議論で、あの汚い話ですけども、相手に議論で勝つ方法は、私の場合は、相手の論理的な矛盾をついて、そこをついて、論理を木端微塵(こっぱみじん)にして勝つ。で、自分のやりたいことを通すっていう方法を私はとるんですね。
Y: これをやるためには、相手の喋ってる英語を100%理解できないと欠点つけませんよね。ところがその・・・、バァーーっと、自分のこと無視してバァーーっと会議の中で流れてることだと、相手がおかしいこと言ってるのか、俺が聞き取れないだけなのかわかりませんよね。
S: うんうんうん。
Y: でこれに気づいてね、私はちょっと国際機関にいくのが、・・・を、やめようかなと思ったんですよね。あのー、それを鍛えるところをやるか、もしくは、自分にその才能がなさそうかなって思うところで、私はね、ちょっとやめようかなと思いましたね。
S: うーん。
Y: 私はもともとね、あのー、話戻りますけども、高校時代はわりと引きこもり系の人で、対人恐怖症気味の人だったんですよ。
S: うん。
Y: こうやって目を合わせて喋るのも、あのー医者で訓練しましたから今はできますけども、あのー高校の頃は全然できなかったような、わりとあのー、コミュニケーションスキルがそもそも低い人なんですよ。
S: うーん。
Y: で今、ある程度、こんなこともやってますから、ある程度できますけども、本質的に、苦手なんですよね。でその本質的に苦手なことを・・・よりも、自分の得意な分野、例えば写真なら「写真を使って、こうこうする」とかいう部分を伸ばすのか、なんとしても!やっぱり政策提言がしたいから、あのー英語を克服するのかっていう風に向かったときに、私は、やはり世界全体的にみると、あのーやはり自分の長所を伸ばしたほうが、私のためでもあるし、・・・そういうことあんまり考えてないですけど、世界のためであろうと総合的に判断して、やってますね。
Y: だからあのー、最低限必要な英語はもちろん喋れますんで、あのー、そんなに困ってるわけではないので。あのーただその、国連の総会で、えー・・・並み居るエゴの強い奴を、打ち負かして自分の意見通すのは、多分ちょっと無理だなぁと思いましたね。
S: うーん。
章: 1 2 3 4 5 6 7 8 9