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09:将来は国際精神保健を

第4章自分がやりたいことは、どこでできるのか?、大学院?

スコーネさん(以下S): あとは英語ですよね。あのーよく言ってるように、TOEFLのCBT250点以上とか、TOEICで…あ、TOEICは関係ないですね。だからCBTで250点以上とか取るとか。えー…あとは大学院修士ですね。MPHか、何かあった方がいいと思いますけどね…。もしくはあのー…心理学とか…精神科なんでちょっと違うかな?

山本(以下Y): ええと…アメリカに行くとかは考えないんですか?アメリカの精神専門医とっちゃうとかですね。

S: あ、アメリカで働くかっていうことですか?

Y: そうですね。

S: う~ん……あんまり…まぁ旦那がアメリカ人とかだったら考えますけどー…。まぁ個人的には別に…。なんですかね、平均的な医療を考えたら、日本のほうがまんべんなく精神保健やってる感じがするのでー。

Y: ふーん。

S: アメリカは差が大きいので、すごいレベルの高いところにいけば学ぶことも多いのかなと思いますけど…。アメリカに…うーん…別に行きたくないわけじゃないんですけどー。何ですかね。かかる時間とか労力を考えると、あえて…(行く必要はない)とは思いますけど…。MPHをとろうと思うと、現実的に考えるとアメリカとかイギリスとか、

Y: はい。

S: あとまぁ何個かを、ヨーロッパの大学院っていうのが一番現実的なのかなって思うんですけど。だからそういう意味では、アメリカは候補ですけど、臨床家として行くのは…まぁあえては…という。

Y: わかりました。

Y: え、それで、MPHはどうやってとるつもりだったんですか?

S: MPHは、あのー、海外をあんまり考えてなくて、最初はPHT…日本でPHTとろうかと思ってたんですけど、で色々と情報収集をしていたら、MPHの方が実質的には役に立つかなと思って、

Y: はい。

S: でこう調べていくとやっぱり日本はこう…歴史が浅いので、

Y: はい。

S: まぁその辺を考えると、外に出る方が有意義かなということで、まぁそういう意味では、アメリカかイギリスか…まぁ言葉とかを考えるとアメリカかイギリスの方がやりやすいかなと思って…。まぁオーストラリアという線もあるのかもしれないんですけども。

Y: はい。

Y: ええと、日本ではMPHがとれるのは、東大がようやく数年前にできて、名古屋も3年くらいで、長崎医大の熱帯医学が、今年から始まったんですよ、確か。ええと、来年から始まるのかな?あの1年くらいでとれるコースが始まるんですけども。

S: うんうん。

Y: 実質…まぁ大きな声では言えませんけども、まぁできて間もなくてですね、講師とかが全然はっきり言って揃ってないので、そのMPHとるためには本当はその、人権の専門家・ジェンダーの専門家・その精神保健の専門家とか統計の専門家とか、全部必要なわけですよね。

S: うん。

Y: その、100人を超える講師が、日本にある、あの勉強できるところが一つもないですので、

S: うん。

Y: やはりアメリカ・イギリスが、行くのはやっぱり最有力で、あとはあのオーストラリア・ニュージーランドも…。あのお金がない場合は、オーストラリア・ニュージーランドは学費が半分くらいですよね。ただ2年かかるので、結局あのー、生活費考えると変わらないってことなんでー。結局1年で、多少高くてもアメリカ・イギリス…まぁ金あるのであれば行って、

S: うーん。

Y: で、タイっていうのもあるんですけど、あの熱帯医学を勉強した場合っていうのは、あのMPSと、あのトロピカルメディスンがごちゃごちゃになってる講義があるので、例えば、一般内科医とかに有効なんですけど、あの精神保健の場合は多分あんまり関係ないことなので…、やっぱりアメリカとイギリスがいいと思いますけどね。まぁ日本はだめだし、アメリカ・イギリスは1年でとれるので、やっぱりいいと思いますね。

S: そうですよね…。なので、必要があればどこかに行くのは全然構わないですし、必要があれば時間をかけるのもお金をかけるのもいいんですけど、ある程度こう、焦点絞っとかないと、全部やるわけにはいかないので…どう絞って、どう自分の優先順位で選んでいった時にどれが…っていうのを、今自分の中の「重みづけ」が、こう…ちょっと…(悩んでる)。

Y: 優先順位って何のですか?

S: なんですかね…うーん、なんか、精神保健…国際精神保健ってやってる人があまり多くなくて、だから熱帯医学とかだともうちょっと、「こういう道がある。ああいう道がある。」っていうある程度確立された…確立とまでいかないんですけど、情報収集しやすいと思うんですけど…、

Y: はい。

S: だから、精神保健は「この人に聞くとああかもしれないね」っていう大体ちょっと、想像が混じったことを言われて、この人に聞くとまた違うこと言われてっていうのが。まぁ人それぞれ違う観点を持っているので…、

Y: はい。

S: でー、自分がやりたいことが、どこにいったらできるかっていうのもまだちょっとわからない状況で、

Y: なるほど。

S: まぁ情報収集と、その情報収集源…情報源収集みたいな所で…。

Y: なるほど。……………。

Y: 結局今もし仮にわかったとしても、実はその、さっきから繰り返しますけども、大学院時代に知り合った講師で道を決めることが圧倒的に多いんですよ。だからあんまり細かいこと考える必要ないかもしれませんよ。今は。

S: うーん。

Y: とりあえず日本の臨床で5年おわった後に、例えば現場留置であれば、まぁけってNGOの。ええっとね、ただ精神保健やってるところっていうのは、多分人権系の方が多いんじゃないかと思うので、アムネスティ・インターナショナルとかヒューマンライトウォッチとか、ワールドコンサーンなどの、大手の人権団体で、精神的な部分やってる所がたしかどこでもやってる…ある程度やってるはずなので、そこにまぁEメール送るなり電話するなりweb見るなり、あのー…全部ヨーロッパですけどね。…えーやる方法もあれば、あとは、国境なき医師団は緊急援助がメインなんですけれども、それでも多分私がいたシエラレオネも、一応精神保健…精神病院のサポートやってましたよ。

S: うん…。

Y: だから一部、やってますよね。お金ー少し少ないんですけども…。

Y: えーというわけで、PTSD等の関係で、あのー…えー…、まぁやってることはやってますよね。

S: うん…。それ…、例えばNGOで働こうと思って、ええと具体的にはどこで何しようっていうのを考えたとした時に、

Y: はい。

S: んーと、行けそうなタイミングの時に…わぁーって自分を売り込む時に、こう候補の団体に、いっぺんにわぁーってこうはたらきかけて、返事が来るのを待つという感じで皆NGOに働き方決めるという感じなんですか?

Y: いや、違います。自分の希望では一切通りません。まあ例えば要するに、精神科医で、例えば片っ端から…例えば、国境なき医師団と、赤十字国際と、AMDAと、あと何だ…人権団体で4つくらい?バァーっと全部送りますよね?

S: うん。

Y: すぐは絶対返事来ないんですよ。そしたら例えば、「半年後くらいに空くかもしれませんよ。」とか、下手すると3ヵ月後くらいに、「1週間後に空きます。1週間後に行ってください。」と言われたりするんですよ。だからどうするのかっていうと基本的には、所属している医局を…そのY大の医局を辞めて、まぁもうフリーの状態になって、どっかでバイトしながら待つわけですよ基本的には。

S: うーん。

Y: 「1週間後に行け。」って言われても大丈夫なように。でその状態にしてると、例えばNGOから、よくて…1ヶ月前くらいに、「1ヵ月後くらいに行きませんか。」って言われて、それで行くっていう体制になるんですよね。

Y: えー、ですから、これは結構思い切りが必要で、まず、辞めなければいけない。どっちにしろ。よっぽど理解がある教授がいる場合は、あのー…そういうスタンバイ状態にしてくれるケースがごく稀にありますけど、8割方…だめですね。

S: うーん。

Y: あっ白井さんとかいますけどね。OKでしたけども。普通は、ダメなことが多いので、皆1回辞めるんですよね。で戻ってきた後は、内科の場合は…まぁ普通は大体自分の友達の病院とかですね。あのーあとは医者ですと、再就職の斡旋会社みたいなのがいっぱいあるんですよ。東京方面であれば、あのー、10社以上ありますから。

S: うーん。

Y: 私5つくらいの名刺もってますけども、再就職は割りと簡単なので、医者は。まぁそれは全然心配ないですね。

Y: だから結局そのスタンバイ状態にして、はっきり言って、1ヵ月後に来るか半年後にくるかわからない状態にして、バイトしながら食いつなぐっていう状態になるんですよ。で、これが普通イヤな場合は、あのー「やっぱりMPH先に取ろうかね」ってことで、あのーそれはアメリカだろうがイギリスだろうが…に行って、運がよければ、その、精神だったら精神の、講師の人と話がつながって、「こういう道があるんだよ」っていう自分が予想もしていなかった道に変わっていく人が圧倒的に多いんですよ。思ってもない所に…。

S: うん。

Y: でそこからまぁ、国連系の人かJICA系の人か、NGO系の人か…見つけて。道はだんだん…すくなくとも最初の道は決まるって感じですね。

S: うーん。そうですよねー…。

Y: ええ。やっぱそっち…の方がいいような気が私はする。

Y: まず5年経って、5年半で、専門医とったら、スパッとやめて、MPHいっちゃうと。えーその直前に、今すぐ行ける所ありますかって…例えば国境なき医師団とかに、まず電話して面接ぐらいして、登録状態…登録状態っていうんですけどもね。

S: うーん。

Y: しといて、えーあのー…、何かいいのあったら話くださいって(言って)。

S: うん。

Y: 登録したからといって行かなきゃいけないってことは全然ないんですよ。行けって言われても断ればいいだけですから。登録状態にしておいて、そのままMPHとりにあのーアメリカかイギリスに行くと。

S: うんうん。

Y: っていうのが1番いいと思いますけどね。で行ったら1年…まぁ最短9ヶ月くらいでとれるコースもありますからね。あのーとりたいやつで、やるのがいいんじゃないですかね。

S: うん。

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