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08:教育・平和構築に貢献したい

第9章 今すべきこと

山本(以下Y): 年齢的な事を考えると、入りたいNGOがどういう人材を必要としているのか、把握する必要があります。そうでないとすべて無駄になる可能性の方が高いですよ。

マシューさん(以下M): ああ、そうですか。

Y: 国連などは、大学院修士で英語何点でと決まっているからもういいんです。でもNGOの場合、基準がバラバラなので、学士も必要ない可能性もあるんです。それよりも経験であるとか人当たりが重要だというのであれば、学士をとるために2年間費やすより、ボランティアで2年間、私はこんなに人当たりも良くて、コミュニケーションスキルもあって、英語も喋れて、こういった事務雑用もそつなくこなせますよとアピールする方が、有益かもしれません。
そうすると、ボランティアからバイトになって、バイトから常駐になって、社会保険がつく可能性もありますから。社会保険制度があるかどうかは、最初に電話しないとわかりませんけれども。

M: はい。

Y: 年齢的な事もあるんで、やはり最初にすべき事は、最終的な就職先として最有力であるNGOやNPOを決めることだと思います。それによっては、例えば2年間の経験が必要だと言われたら、シニアボランティアや国連ボランティアにいくことのほうが学士をとることよりはるかに重要になってきますし。
それで最初に勉強する事自体が好きなんですかって聞いたんですよ。別に現場で実際に働けるかどうかは二の次で、考える事が好きだっていう事ですね。学問、要するにアカデミックっていう事ですよね。

M: うーん。

Y: 悪い事じゃないんですよ。例えば論文書いてそれが仮に現場で通用しなくても構わないと。極端に言うとですね。私の本にも出てきますけども、国際協力には3つの仕事があって、考える人、繋ぐ人、やる人。だから国連でもJICAでもNGOでも。この3つの人が必ずいるんですよ。

M: はい。

Y: つまり、考える人、繋ぐ人、やる人、どの人になりたいですか?という事です。やる人は基本的に現場に行く人ですね。考える人は大学の教授であるとか、もしくはその団体の中でもかなり上で、プロジェクトを決定して組み立てる人ですね。で、繋ぐ人は、事務所の雑用や、受付、寄付金を集めてくるとか。現場とそのプロジェクトための連絡役、お金や物資を送ったり、ルートを決めたりというようなことをする人。でも一番重要なのは、間違いなく繋ぐ人なんですよ、人数が一番多くてね。

M: はい。

Y: 考える人、繋ぐ人、やる人、どれをやるかというのも要素のひとつとして入ってきますが、それはあなたの場合あまり関係無くて、まずはどの段階でやりたいかを考えてから絞って、例えば教育系、人権系や貧困系と絞った方がいいと思いますね。そしてその団体に行って、どういう人材を雇ってくれる可能性があるか聞いて、学士なのか、修士なのか、あと経験、海外勤務経験不問なのか、それともボランティアで長くやってくれた人が芋ずる式になれるのか、解らないですから。まずはNGOについて把握する方が現実的ですね。

M: はい、わかりました。

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