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05:東洋医学で国際協力を

第4章 看護師の資格をとって西洋医学で現地に入り、やがて東洋医学を

山本(以下Y): なぜ、国際協力を鍼灸師でやろうと思ったの?普通にやるなら看護師でやるのが普通だよね。

コボさん(以下K): 色々な医療系の国際協力団体を見ても、やっぱり看護師や医師。

Y: あと、助産師、保健師だよね。

K: ですよね。なので、鍼灸師とか東洋医学での国際協力というのはないのかなと思いまして。

Y: うーん、その地域の人が認知してくれるかどうかがすべてだよね。

K: 東洋医学にこだわらなければありますよね、いろいろ。

Y: 普通は看護師とか保健師系の資格をとって、1年くらいで取れるはずだから、看護師は3年かな、助産師は看護師のあと1年だよね。うん、ベストの選択はきっとそうだよ。あのね、看護師か医師。医師は大変だろうから看護師を3年くらいでとって、最低でも準看を2年でとって、看護師をやりながら鍼灸師の技術をたまに使うと信用されるかもしれない。おそらくそれがベストだよ。最初から鍼灸師で行って信用してもらえるとは思わない。

別な方法としては、南米の日系人で実績を積んだ後、横に派生していく方法。例えばブラジルだったら、日系社会で実績を積んで、そこから横にあるスラム社会の人々に、商売でやるのが嫌だったらタダで鍼灸師としての施術を提供するという方法と、もうひとつは看護師の資格をとって、看護師としてどこかのNGO、キリスト教もしくは個人で行ったときに、2年ぐらいその土地でやって、ある程度変なうわさが立たないように西洋医学で実績を積んだ後に、1~2年後から鍼灸師の技も使いだして、よりよい総合的な医療を提供をするというのがベストだよ。

K: はい。

Y: この2つだな。今、何歳だっけ?

K: 29です。

Y: 29か。10年遅れで医療系の学校に入ってくる人とか、社会人経験者でやっぱり医療系がやりたいとか多いから、別にそんなの普通だよね。30から医学部とか看護師とか、俺の友達や知り合いでいくらでもいるし。

K: なるほど。

Y: 多いよ。そう思えば大丈夫だと思うけどね。あとは信用してもらうために、鍼灸が効く確率だよね。例えば腰痛や頭痛の人にやるよね、針灸。実際どれくらいよくなるの?一時的に癒し系の効果でよくなるという部分も多いけれど、実際、8割以上の人がすぐよくなったっていってくれる?

K: そうですね、割と。

Y: 自信はある?

K: はい。

Y: リウマチの場合は基本的に治るものではないので、何をやっているの?一時的に痛みをとることを目的としているの?

K: そうですね。それもありますけど、全身的に揉んであげて緩和するような針灸治療をしています。

Y: それは治るわけではないよね?

K: うーん・・・そうですね。

Y: やってすぐ効果はないよね、頭痛、腰痛に比べると。

K: はい、頭痛腰痛に比べると。

Y: うん、そうだと思うよ。俺、針灸がなんで効くのかというのを西洋科学的に分析したことがあって、要するに痛みを感じる神経を抑制する神経があってその抑制神経を働かせるというのが針灸の正体なんだよね。というのを専門学校で講義してたんだよ。3年前くらいかな?だからある程度知ってるんだけれども。

つまり何を言いたいかというと、慢性関節リューマチの治療では針灸ははっきりは効かないから、最初はやめたほうがいいよ。信用できてからならいいのだけど。頭痛、腰痛には効くと。8割の人は気持ちよくなったと言ってくれる可能性が高いので、最初の段階ではそれだよね。2つに特定してやったほうがいいかもしれないね。頭痛、腰痛は基本的には西洋医学でも治らないので、どこの国でも需要はあるだろからいいかもしれない。

K: はい。

Y: 方向はさっき言った2つで。3年間で看護師の資格とって、NGO入って、看護師でNGO入る方法は、ケース○○に書いてあるから。読んだよね?

K: はい、読みました。

Y: このチャーさんのところを読めば、看護師で国際協力をする方法がとても詳しく書いてあるので。でも大変だね。看護師3年でとって、その後5年、最低でも3年くらいの臨床経験をつまないと雇ってくれないから、合計6年間になるんだよね、最低でもね。その後か。

アドバイスというと結局3つだよね。1番目は、山本慎一さんの「国境なき鍼灸師を目指してメキシコ・グァテマラを行く」を読んで、どう思うかということ。2番目が南米のペルーかブラジルへ行って、ここで日本人社会を相手に最初はおそらく商売として実績を積んで、信用してもらえるようになったら、口コミでスラムの人やストリートチルドレン、無職の人たちに無料でサービスを提供するという順序で展開していく。そして信用を得てからボランティアとしてやる。

3番目が、3年で看護師の資格とって、出来れば5年、最低でも3年の臨床経験を積んで、つまり6年または8年後にNGOに雇ってもらい、現地で1~2年看護師として信用を得る。その後、認知されていない鍼灸師や柔道整復士を使いだすと。柔道整復師なり鍼灸師が、頭痛や腰痛に8割以上の確率で効くのであれば、それで手を広げていって最終的には看護師の部分を使わずに、現地へ行ってから3~5年目くらいからは鍼灸師に特化することを考えてもいいと思う。これが妥当な考え方じゃないかな。

K: はい。

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