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04:1度は国際協力を

第5章 その後の人生のイメージ

山本(以下Y): それで上智を卒業しました。卒業したらどうします?

すっちーさん(以下S): まだあまり考えてないですけど。全然わからないです。

Y: ではちょっと考えてみようか。仮に全部、夢が叶ったとするよね。上智に入りました。ポルトガル語の勉強をした。ブラジルの勉強をした。スラムでこんなことが起こっていると知った。大学のレポートを書いた。評価Aを貰いました。ゼミへ入った。カンボジアの修復をやった。行った結果、現地の子供の教育が足りないと思った。そこで現地で知り合ったNGOに紹介してもらって、小学校へ行って1日学校の先生をさせてもらった。大学3年生になった。今(の時代は)、もう3年で就活(就職活動)だよね?

S: そうです。

Y: すると、CA(キャビンアテンダント、客室乗務員)を狙って履歴書を出す、と。現実問題としては、あなた身長いくつ?

S: 162cmです。

Y: では可能性はあるね。160cm以上あれば、可能性は一応。あと英語は、一応、得意そうだし。これは本当にいけるかも。大手にこだわらなければあなたの願いが叶う可能性は結構あるかも。

S: はい。

Y: すると仮に、CAになれたとする。もしくは結婚して主婦になったとする。子供を3人産んで、幸せな家庭をもったとする。すると、CAにしろ、結婚して主婦になるにしろ、学生時代に国際協力をやったことと、直接的には全く関係ない分野に進むことになるよね?でも、学生時代にそうした経験を積んだことは、あなたのその後の人生にとってプラスになると思う?

S: うーん。

Y: もしかしたらなるかもしれないし、ならないかもしれない。別にどっちでもいいんだけど。

S: なると思います。

Y: それでいいんだ。どういう風に役に立つと思う?

S: テレビもあまり見ないし、ゲームもしないし、唯一興味があることと言ったら、スポーツとか人と触れあうことが好きなんで、将来役立つというより、自分がしたいことがそういうことなんで、何もせずにいれば、なんていうかやりがいがない人生というか。そういう人生を送るより、人と触れ合って色々な刺激を受けて、そういうことが直接的でなくとも、自分のためになるんじゃないかと。

Y: なるほど。広い意味でそうだろうね。CAで接客業をしたり主婦をするのにカンボジアとかブラジルは、直接的にはどう考えても関係ないけれども、そういう広い意味で刺激を受けた人生を、あなたが送ってきたということは、CAで接客業をするにしても主婦で子育てをするにしても、広い意味ではプラスになるよな気はする。確かに。うん。いいんじゃないかね、それで。

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