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03:医師になり国際協力を

第4章 長崎大学熱帯医学研究所と海外の大学院件

山本(以下Y): この方法が、なんらかの理由でダメだった場合、長崎大学の熱帯医学研究所というのがあるんだ。毎年、6~8月までの3ヶ月間に、熱帯医学と公衆衛生学のショートコースをやってくれるんだ。これを受けて終了証明書(ディプローマ)をもらっておくと、以後、様々な国際協力団体から雇ってもらい易くなる。(ここには1年のコースもあるので、そちらのコースをとればなお良い。)要するに、国際協力を目指すなら、医師免許とって5年医者やった後、大学病院などを辞めて、長崎大学の熱帯医学研究所のこのコースを受ける必要がある。これがあると、以後、赤十字国際委員会、国境なき医師団、など、その他さまざまな団体から雇ってもらいやすくなる。

堀北真希のファンさん(以下H): そうですか。

Y: うん。これがあると全然違う。アフリカに行った場合も、実際の臨床で全然違うよ。だって、この講習を受けていれば、マラリアを見たときにどうしたらいいかわかるんだもん。だって、日本での臨床経験5年終わっただけじゃ、アフリカなどでは使い物にならないよ。だって、全然病気が違うんだから。だからもしも日本で医者やるんじゃなくて、海外でやりたいのであれば、さっき言った国際大型医療系NGOが、無料で開催するコースか、長崎大学の3ヶ月のコースを受けたほうがいいよ。あともうひとつ、海外の大学院っていうのがあってね、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏と、あとは、タイ。実は、タイは熱帯医学に関しては、日本よりもはるかに先進してるんだよ。日本よりも医療レベル上なんだよ。全然。

H: そうなんですか。

Y: 日本のほうが上だと思ったら大間違い。タイのほうが上。だから、欧米またはタイのマヒドン大学の大学院っていうところに行くと、1年とかで熱帯医学などの、修士(大学院修士)をもらえるんだよ。

H: はい。

Y: 大学を卒業すると学士というのを貰える。大学院を1~2年で卒業すると、修士というのを貰えるの。さっきから言ってる熱帯医学の修士、または、公衆衛生学の修士をもらえる。これがあると、色々な団体から雇ってもらえるようになる。いずれにしても4つなんだよ。覚えた?自分で言ってみて。

H: 熱帯医学の知識があって、英語かフランス語ができて、5年以上の臨床経験があって、医師の国家資格を持っている。

Y: そうだ。正解だ。普通は、医者になって5年経てば、国家資格と5年間の臨床経験は、誰でもクリアーするわけだ。だから問題は、英語と熱帯医学、または公衆衛生学の知識をどこで入手するかってことなんだよ。

H: 日本では、まったく勉強しないんですか?

Y: まったく勉強しない。だって、マラリアとかはないんだから。ただ、今ね、以前、寄生虫学教室といってきた教室をね、名前が寄生虫では人気がなくて、誰も入ってこないということで、名前を熱帯医学教室にして、誰か興味のある人が入ってくる。入りやすいようにしている。ここで、医学生にマラリアなどの病気を教えているケースもある。

しかし如何せん、日本にはマラリアの患者がいないので、机上の知識にすぎず、教えている先生もよくわかっていない(笑)。だから事実上、勉強できない。また、熱帯医学にしろ国際保健医療学にしろ、日本は非常に遅れてる。だから、日本の一般的な医学部で、熱帯医学などを勉強しようとは思わないほうがいい。

要するに、あなたは高校生だけど、大学を選ぶときに、熱帯医学の強い大学を選んで受験するということは考えなくていいよ。例外として、長崎大学を狙うっというのはあるかもしれないけど。結局、どこでもいいから医学部に入ってしまえば、普通、6年間で国家試験に受かって、医者になるわけだ。そして医者になった後に5年間経てば、臨床経験がクリアできる。だから、そこまでは何も考える必要はない。エレベーターのように自動的に決まっていく。そして最後の2つ、英語と熱帯医学をどうするか。

H: はい。

Y: 英語は、英会話スクールへ行ったり英字新聞を読んだり、色々な努力をするんだよ。熱帯医学は、基本的に長崎大学の熱帯医学研究所の3ヶ月間が、1番お勧めだ。運がよければ国際大型医療系NGOの研修を受けられるかも。あとはお金があれば、臨床5年やれば貯まるよ、普通。医者は3年目過ぎた頃から給料は高額で、年収数百万以上のはずだから、すぐ貯まるよ。600万円ぐらいあれば海外の大学院にいける。それでアメリカやイギリスに留学して、大学院修士を取得して、それから海外勤務へ行くというのがベスト。

H: なるほど。今から勉強しないとダメですね。

Y: 何を?

H: まずは、医学部に受かるようにしないと。

Y: そうだね。まずは、それがないと(笑)英語の勉強は、大学に入ってからでもできるわけだし。当面は、医学部に入れる程度の英語力があればいい。医学部に入るのが、まずは最優先事項だよね。あなたのうちは、お金あるの?

H: いいえ。国公立の医学部に行ってくれと言われてます。

Y: そうなんだ。(国立で、偏差値の)1番下が琉球大学と宮崎大学かな?確か。調べたでしょ?当然。

H: どうだったかな?

Y: 公立で、もっと下があるかもしれない。まだ、調べてないの?

H: すみません。

Y: それは、すぐ調べたほうがいいよ。

H: はい。

Y: 代ゼミや駿台などの予備校に行けばそんな情報、タダで配っているはずだよ。あと医療系の予備校もある。YMSとか。目標決めて、国公立で1番下の大学に、もちろん上に入れるならそれにこしたことはないけど。別に医者っていうのは、なってしまえば関係ないんだよ。東大出ようが、三流の私立大学を出ようがまったく同じ。医師免許証には、何も書いてないんだから。関係ない。特に外国へ行ったら東大なんて誰も知らない。だから全然関係ない。医者の場合は。教授狙うなら別だけど。

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