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03:医師になり国際協力を

第3章 医者が国際協力をやるための4つの条件

山本(以下Y): 具体的に、国際大型医療系NGOのホームページを読んで、どのような条件をクリアすれば派遣してもらえるなど、理解してるの?

堀北真希のファンさん(以下H): 日本の医療で2年間実習(研修)を受けて、英会話ができて、現地の歴史も知っておいたほうがいいと書いてあったと思います。あとは、25歳以上。でしたかね。国家資格(医師免許証など)を持ってる。他には覚えてないです。

Y: なるほど。部分的に正しいけどね。部分的に違っていて、ホームページはね、応募してくれる人が増えるように、ある程度、敷居(条件)を下げてあるんだよ。当然、医師免許をもっていて、2年間の臨床研修を受けてというのはそうなんだけど・・、実際はね、医者だったら、医師免許をもってて5年間の臨床経験があること。

H: 5年間?5年ですか?

Y: 最低5年だ。2年っていうのはウソだよ。募集してくる人をある程度増やすために2年と書いてるだけ。実際は、採ってくれない。最低5年。医者は5年。看護師は最低3年の臨床経験がないと、雇ってくれない。

H: そうですか。

Y: うん、医師としての臨床研修を受けるのは、日本でもいいしアメリカでもいいんだよ。先進国であればどこでもいい。普通、日本だけどね。だから、研修医2年間やった後に、どこかの病院でさらに3年間、患者さんを診る経験をもつ。

H: なるほど。

Y: だから、医師の国家試験に通っただけでは、試験に通っただけなので、はっきり言って使い物にならない医者だよね。

H: そうですね。

Y: 当たり前だよね。患者さんに迷惑だよ。

H: はい。

Y: 5年間医師をして、それなりに働けるようになってから行くと。・・当たり前だよ。

H: そうですね。

Y: 3番目に必要なものは、英語かフランス語。普通は英語だよね。あなた、フランス語やドイツ語は出来る?

H: いいえ。(苦笑)

Y: だったら英語を徹底的に俺みたいに鍛えて。例えば、大学時代にバイトして、その稼いだお金を全額英会話(スクールに行くお金)につぎこんで勉強するとか、JAPAN TIMESや、デイリーヨミウリなどの英字新聞をとって、毎日ざっとでいいから読んで、ともかく毎日、英語に触れる機会を作る。テレビを観るときは、CNNやBBCを観るとかね。あと、映画を観るときも、なるべく英語がわかるようにするとか。スクリーンプレイといって、英語の映画の台本のようなものが売ってるんだよ。本屋で。それを観ながらそのセリフを文字で読みながら映画を聞くと、わかるようになったりするよ。3回ぐらい同じのを観ると。あとは、高校・大学の時に、出来れば1年ぐらい留学することだね。1年ぐらい遅れても、人生、全然問題ないから。

H: (笑)

Y: 82年もあるんだから、人生。出来れば両親に頼んで留学させてもらうと、全然違う。そもそも大学に進学するときに、その大学が、交換留学制度などを持っているかどうか、調べてからそこに入るという方法もある。例えば俺のいた慈恵医大は、セント・トーマスという大学と姉妹校みたいな関係で、交換留学をやってた。

H: なるほど。

Y: ということをやる。とにかく英語。それが3番目。4番目が、アフリカに行くにしても、アジアに行くにしても、最低でも熱帯医学か、公衆衛生学の知識が必要なんだ。これが無いとね、行っても働けない。適切に働けない。だって、日本の病気とアフリカの病気は、違うわけだよ。日本には、蚊に刺されるとなるマラリアという病気が無い。その日本脳炎のようなマラリアという病気が、海外では最大の病気のひとつだ。日本の医者っていうのは、その病気を、1回も診たことがない。だって、ないんだから。 行っても役に立たない。当然、事前に勉強しなきゃいけないんだよ。

H: はい。

Y: 勉強する方法が、いくつかあって、どれを言おうかな。まず、国際大型医療系NGOの場合、派遣にいくことを前提に欧米などの大学院で、1週間ぐらいの派遣前の研修を行ってくれることがある。時期さえあえば。上辺だけだけど、熱帯医学や、公衆衛生学、国際協力のための公衆衛生学というのがあるんだよ。国際保健医療学と言うのだけど。国際・保健・医療・学っていうの。それを、1週間くらいで教えてくれんだ。それが最低ライン。つまり、さっき言った3つの条件、すなわち医師免許を持っていて、英語が話せて、5年間の臨床経験がある、という段階で、国際大型医療系NGOに行って、「絶対にいきます。やる気がものすごくあります。」などというと、旅費や研修の費用の一部を、国際大型医療系NGOが負担してくれる。俺も行ったんだよ。お金、けっこう援助してもらった。

H: すごいですね。

Y: うん。でも、これ、昔のことだから、あなたがそれを受けることになる十年後の未来の段階で、まだそういう研修制度や援助金制度があるか、再度確認する必要があるよ。国際大型医療系NGOにきいてね。それと仮にあっても、時期がちょうど先方の大学院のカリキュラムに合ってないとダメなこともある。あと、この研修を受けたい人が多い場合、倍率が高くてダメかも。とにかくその頃に、国際大型医療系NGOにきいてね。

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