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02:NGOで医療系を

第1章 学生時代にすべきこと

「ちゃー」さん20歳女性 看護学生

プロの国際協力師になる確率、100パーセント
NGOなど、現場に近いところを希望

山本(以下Y): 何歳?

ちゃーさん(以下C): 20歳です。

Y: 住所は?

C: 愛知県豊田市

Y: 看護大学4年制の2年生なんだよね?

C: はい、そうです。

Y: あとは、あなたのうちの金銭的状況は?このインタビュー、他の人にも参考になるから。

C: 中くらいですかね。でもまだ下に妹がいてこれから進学で、私も今、学校が私立大で学費が高いので、英会話スクールなどは厳しいかもしれません。

Y: そう。バイトは、してないの?

C: 病院で、看護助手のバイトをしてるんですけど、今、授業数がすごく多くてほとんど入れていません。

Y: そう。困ったね。では、何を聞きたいですか?

C: 今この時期に、すべきことは、何でしょうか?私が知っている団体は、学校が赤十字ということもあり、国際赤十字(赤十字国際委員会 : ICRC : International Committee Red Cross)と、あと先生が所属していらした(※1)、MSF(国境なき医師団 (Medecins Sans Frontieres )と、アムダ(アジア医師連絡協議会)、など、必要になってくる資格は、国際赤十字の場合では富士山での合宿があることや、TOEICの点数の限が決まってること、MSFの場合でも、やはり、ビジネスレベルでの、英語かフランス語の習得が必要となってくると思うのですが、語学の勉強や情報収集の方法などを教えていただけますでしょうか?
(※1)山本敏晴は、以前、いくつかの団体に同時に所属していた。国境なき医師団に関しては、2001~2年に派遣医師でアフリカへ。2003~5年までは、国境なき医師団日本理事に就任していた。しかし、以後は自分で創設した団体「宇宙船地球号」に専念している。

山本(以下Y): まず、看護師になるんだよね?何科やりたいの?助産師は、とるの、とらないの?

C: まだ決めていませんが、卒業後に助産師はとりたいと思っています。

Y: なるほど。最初にわかりやすい話しをしたほうがいいよね。まず、途上国で需要があるのが、「母子保健」と言って、小児科と産婦人科、小児外科。なので将来看護士になったあと、小児科系や産婦人科系で、比較的集中的に、働かせてもらうのがいいかもしれない。

小児科、産婦人科以外で重要なのは、いわゆる救急医療というもので、どんな状況の患者がきても、とりあえず「一時的な処置」ができて、最終的には専門の科にまわすのだけど、その適切な「振り分け」ができるようになること。それが普通、救急医療、救急室だよ。これがけっこう重要。

あとは、ICUだね。集中治療室だ。いわゆる人工呼吸器の取り扱い方だね。これが使えないと、重症患者をみれないので、いろいろ困ることが多い。日本では、手術の時の麻酔は、医者がかけるから、看護師が麻酔かけることは少ないはずなので、ICUか、CCU(心臓の冠状動脈疾患集中治療室)いったほうがいいよ。そこでは看護師が、(人工)呼吸器の扱いができるから。

母子保健と、救急医療と、集中治療室・・で、その次に重要なのが、一般外科や整形外科で、なぜかというと、途上国は交通事故が非常に多い。だから、一般外科と整形外科。その手術で、医者が手術するときに、看護師が横から必要な手術器具を適切に、すばやく出す渡すことが必要なんだ。ペアン、とか、コッヘル、とか・・あとは、滅菌、消毒、清潔操作など、ひと通りできるというのが、普通、一般的な国際協力をする場合に必要。

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