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01:国連かJICAで教育系を

第3章 選択肢たちと将来のイメージング

山本(以下Y): さて、ようやく本番だ。これまでの情報を元に、これから35歳までのことを具体的に考えるとしよう。今、24歳だっけ?

ピクミンさん(以下P): はい。

Y: まず結論から言うと、いくつかの「時間的なリミット(締め切り)」がある。例えば、国連に入るための一番入りやすい方法、JPO試験の受験資格が35歳までなんだ。だからもし国連に入りたいならこの35歳までの間にJPO試験の条件となる、以下の3つの条件をクリアしなければならない。
1.英語(できれば他の国連公用語も。仏、西、露、中、アラビア)
2.大学院修士
3.2年間の海外勤務経験(これは、受験条件にない場合もある)
つまり、この3つの条件を一番遅くても35歳までにそろえないといけないんだ。基本的にこれを目標に人生設計を考える。これらに関連して、もうひとつの「時間制約」がある。それは奨学金制度の関係だ。大学院に行くためには高額の学費と生活費がかかる。特に海外の大学院にいく場合、最低でも数百万円の出費となる。すでに自力で貯金してあれば別だが、普通はそんな貯金はないはず。そんな時に頼りになるのが、奨学金制度だ。フルブライト奨学金、JICAの海外長期派遣制度、など無数の奨学金制度が世の中にはある。それらは、日本学生支援機構、というホームページに一覧がある。面倒くさがらずにこれをみてみるといい。見るとわかるが、ほとんどの奨学金は27歳、または29歳前後でその資格が失われる。すなわち奨学金が欲しいのならそれまでに応募しなければならないんだ。要するに、24歳だからといってそんなに悠長に構えている暇はない。27歳が締め切りだとすると、あと3年程度しかないのだ。

日本の大学院、つまり東工大などに仮にいくとして、一体いくらぐらいのお金が必要になると思ってる?学費と生活費、どのくらいかかると思う?2年間で。

P: 学費はだいたい150万円ぐらい。1年で。

Y: では2年で300万円だね。生活費はどのくらい使うの?

P: 1年で150万円ぐらい。

Y: では2年で300万円。学費と生活費合わせて600万円だ。というわけで大学院へ行くために、600万円必要なんだ。もう貯まってるの?

P: (苦笑)そんなお金は全然ないです。だいたいアルバイトはじめて貯めてきたお金は親に送金しているので。

Y: 親に全部おくってるんだ?では、親があなたのことを想って、貯めててくれてるかもよ。

P: 車買ったって言ってました。(苦笑)

Y: 自分自身の貯金は、100万ぐらいはあるの?

P: 100万も無いです。

Y: あ、それは厳しい。さっき言ったように、期限が27歳ぐらいなのよ。あと3年ぐらいしかないんだよ。貯金するならするで、それまでに数百万貯めるのは相当大変だ。それまでに600万貯まれば大学院にいくし、貯まらなければ奨学金をとるために、片っ端から申請書を書いて送るという血のにじむような努力をしなければならなくなるのよ。300ぐらいある団体のうちから、自分が採用されそうなものを30ぐらい選び、その全部に履歴書と申請書を書いて、全部送る。そうすると、1個ぐらい当たるかもしれない。もちろん全部はずれるかもしれないけどね。だって、東大出身の人も応募するわけだから。

P: はい。

Y: 29歳になると、300あるのが半分に減る。30すぎるともっと減る。35歳まで応募できるのもあるが、数としては少ない。というように、人生は、年をとるにつれて可能性が減っていくんだ。これが現実なんだ。だからさっきから、27歳っていってんだよ。わかる?だから、お母さんに電話して、お金を貯めてあるか確認したほうがいいよ。それで随分話しが変わる。わかったね?

P: はい。

Y: 問題なのはその後だね。プロで国際協力をするために必要なのは、3つあって、英語と、大学院修士と、2年間の海外勤務経験だ。あなた、どれがない?全部、ないよね?とすると、どれをいつまでに取得するかを考えないといけない。結論からいうと、2年間の海外勤務経験は後でもいいよ。しかし、大学院に行くのは奨学金の関係で20歳代がいい。英語を身に付けるのも、若いうちのほうがいい。だから、この2つを最初にとるのが急務だよね?

P: はい。

Y: 例えば、2年間の海外勤務経験をとるために最有力であるJICAの青年海外協力隊は、39歳までいける。40歳をすぎても今度はシニアボランティアがある。でも35歳までに3つそろえるなら、やはり青年海外協力隊か。

さて、英語はどこで勉強するつもりなの?

P: 今の話しを聞いている、なんか日本の大学院にいくと日本語ですよね?同じ2年なら外国の院にいって、語学学校に入れてもらったほうがいいような。

Y: 俺もそう思うよ。ただ、その大学院に入る前の、その大学の語学学校に入れてもらうための試験が、当然あるわけだよね。どんなバカでもとるわけじゃないよね。だから、最低でもTOEFLで何点以上とった人が、対象になるはず。だから、まずは勉強をしておかないと。やっぱり英語だ!

P: はい。

Y: TOEFLは、リスニングもしっかりあるから。リスニング、得意なの?

P: いいえ。

Y: というわけで、厳しいね。今、仕事が夜だから、仕事が終わった後に英会話学校へ通うことはできないわけだね?

P: 今の塾と英会話学校が、同じフロアにあるので、午前中や昼に通えます。

Y: まず勉強しようとは思わない?お金ためるほうが先だと思ってるの?

P: というか、何を1番先にやればいいのかわからなくて。もし、お母さんがお金を持っているのであれば、全部、大学院にいくために使ってもいいかな、とは思っています。

Y: そうだね。はっきり言うと、基本的に20歳代じゃないと英語は頭に入らないから。お金を貯めるより、英語の勉強が先だよ。その上で、大学院にも行ったほうがいいし。

お母さんのお金がなかった場合は、27歳ぐらいまでにとにかく必死にお金をためる努力をして、足りない分を奨学金申請して、大学院へ入ったら授業をうけながら同時に英語を必死に勉強するんだろうね。

P: はい。

Y: まず、今夜、お母さんに電話すること。何よりも。ないと言われたら、必死にお金ためて、日本の大学院へ行って開発教育学かなにか専攻して、勉強しながら英会話の勉強もして、少なくともディベート(論争)ができるレベルにしないと。逆に、お金があるって言われたら、海外の大学院にいったほうがいいよ。そのほうが、英語も同時に勉強できるんだし。もう、今日から英語を徹底的に勉強して、目標とする海外の大学院を決めて、そこに入るために最低必要なTOEFLの点数をとれるように頑張る。英字新聞(JAPANTIMES)とって、英会話スクールいって、ヒアリングマラソン(アルク)と、タイムマラソン(アルク)やって、映画を観るとき英語のキャプションで、会話を全部暗唱するの。できれば外国人の恋人を作るといいけど、無理なら友達やメル友。いまいったもののうち、最低でも3つ以上やらないと、英語はものにならない。わかった?

P: はい。

Y: けっこう大変だね。嫌になってきた?

P: いいえ。こんなにのん気にやってられないなと(笑)。

Y: うん。でも、申し訳ないけど、奇麗事は言わないんだ。よく本で「国際協力は誰でも参加できる世界ですよ」とか書いてあるけどね。あれはウソ

少なくとも、国連やJICAに入るのは、倍率的に相当厳しいよ。それだったら誰でもできる、CSR(企業の社会的責任)に関わるとか、買い物で環境に配慮している製品を買うとか、そういうことをしたほうが現実的だって言ってるんだ。訳のわからない妄想をみるよりは。

というわけで、高校生などの夢を打ち砕く悪魔のような男かもしれないんだけど。

P: (笑)

Y: でも、現実的にはそういうことです。

さて、次ですね。2年間の海外勤務経験を、どこでいつとるのかも考えないと。青年海外協力隊など行こうと思ったことはあるの?

P: はい。誰でもいけるのかと思ってて、先生の本読んだらどうやら難しいらしいと。(苦笑)

Y: そうだね。まず、全体の倍率が5~6倍だから、それだけで十分、難しいとわかる。さらに何も特技がない人は、青少年活動、村落開発、エイズ教育、日本語教師、の4つしかない。ところがこれらの倍率は、10倍前後と非常に高い。教職があれば、理数系教師、小学校教師などの倍率は2~3倍だから教職があると強い。でも、教職ないんだよね?

P: はい。

Y: 一芸のない人が応募できる、青少年活動などは10倍以上。

とにかく30歳過ぎて、大学院修士とりました。英語もある程度話せます。さあ、2年間の海外勤務に行きます。という時に、そこでどうするのか。

P: そうですね。

Y: 俺の本にも書いてあるように、5つの選択肢があって、
1.青年海外協力隊
2.国連ボランティア
3.在外公館派遣員制度
4.外務省の専門調査員
5.NGOのボランティア
以上だ。

1.青年海外協力隊は、さっき言ったように20歳から39歳。倍率が高いので、落ちてもめげないように。半年ごとに応募があるから、受かるまで応募を続ける。倍率5倍なんだから、最低でも5回は受験するように。受かれば事前に3ヶ月弱の語学研修などを無料で受けることができ、派遣されている2年間の間は、住居は無料で支給され、毎月日本の口座に9万円振り込まれ、それと別に現地で数万円もらえる。職種はさっき言った以外に、自動車整備からスポーツ、芸術関係まで100職種以上ある。今から募集要項をJICAからとりよせて、自分がどれなら応募できるかを見ておいたほうがいい。通常、数件ある。

2.国連ボランティアは、国連版の青年海外協力隊と言われている。しかし、内容は大きく異なる。こちらのほうが本格的な「仕事」をする。国連職員とまったく同じ仕事をするので、責任重大なのがいい。給料もある程度でる。青年海外協力隊より、こちらを勧める。業種も100以上、無数にある。応募条件は、社会人経験があること。学歴はあまり重要ではない。逆に社会人経験がない人は一切とらない。社会人経験が2年以上と書いてあるけど、実際は5年以上の社会人経験がないととらない。だから、今の塾の仕事を、あと1年は辞めないように。わかった?

P: はい。

Y: ここで5年の社会人経験を持っておけば、将来、国連ボランティアの選択肢が増えて非常に有利。また、あなたの場合、室長という管理職のような立場になるということだから、将来、国連やJICAのようなコーディネート業務を目指すならば、その経歴も有効に働く可能性が高いよ。キャリア・メイキング、というやつだ。

3.在外公館派遣員制度は、高卒でもいけるのが特長。海外にある日本の大使館に派遣され、事務仕事などをする。給料は国家公務員の高卒扱いだからそれなり。しかし、大学在学中でも可で、外国語学校の学生などがよく応募する。必須条件は、英語など、その国で使える言葉が堪能なこと。

4.外務省の専門調査員は、大学院修士が(一応)必須。やはり外国の大使館に勤務し、その国の経済・金融系の調査をすることが多い。このため実際は、大学院修士がなくても、銀行や証券会社で働いていた経験があれば、雇ってもらえることもある。給料はそれなりに高い。また、経済系だけではなく、政治・法律・宗教・教育・文化・軍事・ITなどほぼ全ての分野の調査が依頼される。よって大学院修士をもっていれば、一度は考えてみるべき選択肢。実際、この外務省専門調査員の後、国連職員などになったケースも多い。よってかなりお勧めだ。キャリアアップ(経歴作成)に最適。外務省のホームページにいけば、毎年2回ぐらい募集が出ている。

5.NGOのボランティア。以上のどれにもひっかからなかった場合、または、あくまで現場に近い職場がいいという場合、選択肢はこれしかない。NGOは、給料がなしか、あっても10~20万円前後が多く、就職という意味では基本的にお勧めしにくい。しかし、NGOは無数にあり、その活動している場所も無数にあるので選択肢は多くチャンスも多い。こうした情報を得るためには、NGOたちの総元締めである、ネットワークNGOのJANICのホームページやNGO/NPOウォーカーなどがいい。

以上、5つの方法があるんだ。

P: はい。

Y: これらが現段階で考えられる経歴作成の方法だ。
1.まず、お母さんに電話すること。
2.2番目が、もう1年勤務して社会人経験を5年にすること。これにより、国連ボランティアに将来いける可能性がでてくる。よって仮に、お母さんが500万円もっていても、すぐに仕事を辞めて大学院にいってはいけない。また、仕事を続けることは、室長としてマネージャークラスで勤務した経験を持つことになる。これは後で必ず効いてくる。雇われる時に有利になる。
3.次がお金だ。最低でも、手持ちが200~300万円ぐらいないと話しにならない。お母さんのお金があればいいが、なければ自分で貯金。大学院に行くためと、英語を勉強するため。いい?

P: はい。

Y: 結論として、国際協力師の3つの条件、英語と大学院修士と、2年間の海外勤務経験をどうやっていつとるのかを、いつもイメージしておくように。

P: はい。

Y: 35歳まではあと11年。あっという間。本当にあっ、という間。おまけに国連のJPO試験に応募できるのは、35歳までだけど、たとえばその後、いろいろな組織に就職したいと思ったときに就職できるぎりぎりの年齢が、35歳なんだよね。要するに、そこから逆算が必要なんだ。たとえば35歳では、年齢的に雇用されにくい。よっぽど「売り」があれば別だが。仮に32歳までにJPOを終えて就職したいとすると、JPO(の派遣期間)が2年だから、30歳までにJPO試験に受からないといけない。するとそれまでに3つの条件をクリアだから、28歳から30歳まで青年海外協力隊などに行く必要がある。すると、その前の26~8歳頃に海外に留学して語学学校と大学院にいくか日本の大学院へいく。すると、26歳の段階で英語力が必要になり、志望する海外の大学院のレベルにもよるが、一般的にはTOEFLのペーパーだと600点以上、CBTだと210~250点以上、が必要となる。ようするに、来月24歳になるけど、あと2年の間にこの点数がとれるよう、英語の勉強を勉強し、かつ、貯金をしないといけないんだ。

P: はい。

Y: もうひとつ。NGOと国連やJICAの決定的な違いは知ってる?

P: いいえ、わかりません。

Y: 一番大きな違いは、「現場の近さ」だ。NGOは圧倒的に現場に近い。現地の人と、直接触れ合う。国連やJICAの職員というは、基本的に途上国の現地政府を通して活動する。だから、通常、首都などの大都市にとどまり、政府の役人や国家公務員と話しをする。いわゆる「お役所仕事」をする。よって、本当の現場である田舎にいくことは少ない。要するに「コーディネート業務」といって、その国の「政策」を作る仕事だ。現場からは非常に遠い。

毎日会議と書類作成、人と会って電話で話をしてEメール打つ。もちろん、こ非常に重要なことなんだけれども、そうした仕事が本当は現場の仕事よりも重要なんだ、とわかるようになるには普通、数年はかかる。だから、最初からこうした仕事をやらされると、つまらなくて辞めたくなる。これとは逆に、NGOのいいところは現場に近いということ。だから、現地の実情を知ることができ、なによりやる気が出やすい。わかる?

P: はい。

Y: 例えばあなたが、どこの国でもいい、現地の小学校にいって、その「倫理教育」を教えたいとなったところで、直接現地に自分で行って、子どもたちに教育をするのはNGOだ。NGOでないとできない。国連やJICAは、首都で数十人の現地スタッフを雇ってそのスタッフが現地へ行く。または、それさえもせず、もともとその国にいる国家公務員や地方公務員を使う。だって、相手の国の「政府を通して」活動するからだ。よって、現場には基本的に行かない。行っても、視察といって3時間ぐらいだ。だから、自分で子どもたちに、直接教える機会は、まったくといっていいほど無い。逆に、NGOなら、あなたの好きな倫理教育を、直接子どもに教えられる。しかし、お金はほとんど儲からないということだ。

P: はい。(小声)

Y: あなたは、お金のことを忘れた場合、どちらがやりたいんですか?給料を考えない場合、どちらをやりたいんですか?

P: 両方やりたいんです。最初は、現場でやりたいと思ってて。それから現場がどんなものかを理解した上で、コーディネーター業務をやったほうがいいのかなと思っています。

Y: そう、それが理想だね。最初、NGOで、お金にならなくとも2年ぐらいは、現場の教育現場なりを、こういうのが現実なんだって実感して、その後に、コーディネート業務である、給料がっちりもらえる、国連かJICAかに行く。

となると、さらに厳密な計画になってくるわけだよ。まず、お母さんに電話するでしょ。会社でもう1年勤めて、社会人経験5年にするよね。もし、お母さんが、お金を使っていた場合、金を貯めます。同時に英語も勉強します。と。

27歳になりました。600万円貯まっていれば、それで大学院へいく。足りなければ、奨学金制度に応募しまくって、なんとかする。もしも、奨学金に全部落ちたら、そこからまたバイトが始まる。とりあえず、日本の大学院でも、海外の大学院でも、2年で大学院修士がとれる。すると、29歳になっている。それから2年間の現場経験を得るために、まず、現場に近いNGOのボランティアにいったとする。(青年海外協力隊に試験に運良く受かれば、そっちにいく。)すると、31歳になっている。そこで、国連のJPO試験を受けたとする。仮に一発で合格したら、2年間のJPOに行き、その後、33歳ごろに、どこかへ就職を考えることになる。例えば、開発コンサルタント会社、JICA専門家、国連のどこかの部署、など。

これは、うまくいった場合の話しで、大学院の入試までにTOEFLの点数が足りなかったり、大学院の入試そのものに落ちたり、大学院で書いた修士論文が通らなかったり、適切なNGOが、いつまでも見つからなかったり、(青年海外協力隊の試験に、何度も落ち続けたり、)JPO試験に落ちたり、家族になんらかの不幸があったりして、2年ぐらいは遅れる可能性も高い。だから、実際は、ようやく35歳ぐらいに最後の就職までもっていける段階になる。ほとんどの国際協力組織が雇ってくれる人間は、35歳だ。要するに、もう既にぎりぎりなんだ。

P: はい(驚愕)

Y: だから、もしもお母さんがお金をもっていた場合、1年間、塾の室長をやって、社会人経験5年をゲットするのと同時に、英語を徹底的にやったほうがいいよ。すると、25歳の段階で、TOEFLのスコアをみたしていけば海外の大学院か、またはその大学院の付属の語学学校へいける。すると、27歳で卒業できるから、さっきの予定より2年ほど早くなる。有利になるよ。最終的に33歳前後で、就職できる可能性がでてくる。このほうが、随分いい。

とにかくNGOを経験して現場のことを知って、その後、国連やJICAなどのコーディネーター業務を行い、その国の政策を作っていく、かつ、お金がもらえる場所へ就職する、という理想的な道が出来上がるわけだ。もう、現場にはいかないけれど、過去に行ったことのある経験がきっと生きるはずだ。というわけだ。昔、現場にいたときに出会った貧しい人々のことを思い出し、そうした人々に対する援助を、国全体に一気に行うことのほうがはるかに重要なんだ、ということを理解し、コーディネート業務を行う。国全体の政策を動かす。そういうことだ。

今、24歳だ。今から始めて、ちょうど間に合う。お母さんが、600万円貯めてくれているといいね。

P: はい。

Y: あと、結婚。結婚が最大のネックなんだよ、女性の場合。今、彼氏は?

P: います。ただ、私もこういう考え方なので。結婚にはあまりこだわらない。別々に暮らすこと、子どものこと、そういった点で、相手も同意してくれれば、してもいいと思っています。

Y: ちなみに彼氏は、何をしてる人なの?

P: 外資系の証券会社に勤めています。

Y: じゃあ、わりと金、あるタイプだよね?泣きつくって方法があるな(笑)

P: いえいえ(笑)

Y: わかりました(笑)

そういえば、結婚とは関係ないけど、企業のCSRには、あまり興味ないのね?

P: そうですね。

Y: ないならないでいい。次、最後だ。ウィル(意思)

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