トップページ» 01:国連かJICAで教育系を

章: 1 2 3 4

01:国連かJICAで教育系を

第2章 自分の持つ資源や資質と、現実の把握

山本(以下Y): 中学校や高校の頃は、学校の勉強は何が得意だったの?

ピクミンさん(以下P): 中高一貫でしたが、本当に何もできなくて、1学年74人なのに、いつも72、3番で、できたのは、習字ぐらい。一応、日本書展というところがやっている検定で、「師範」を持っています。お金を頂いて、人に教えることができる。

Y: 「師範」をもっているの? かっこいいね。でも習字だと、国際協力にはあんまり関係ないかも。国際「交流」なら中国あたりとできるかもしれないけど。

P: (笑)

Y: 大学は、M学院大学だったよね?

P: そうです。法学部です。その当時はとにかく将来お金持ちになりたくて。法学部にいけば、みんな検事か裁判官か弁護士になれるんだと思っていて。入ったらそんなわけ、もちろん無くて。一応、4年で卒業はしました。

Y: そうだね。法学部卒業しても、弁護士なれる人はものすごく少ないからね。最近「法テラス」っていうのができてるよね。民間の弁護士を増やそうという動きがあり、ロースクールという大学院を作り、そこを卒業すれば弁護士の国家試験に通りやすくなるという制度。そこにはいかないの?ロースクールには?

P: もういまさら勉強しなおそうとは思わないです。

Y: わかりました。教職はとりました?

P: いいえ。

Y: でも、教師系やりたいのに教職もってないってのは、やや致命的では?大学の3年から編入させてもらって、そこで教職だけとるという選択肢は?

P: 大学にもよるんですけど、M学院は、あんまり力をいれていなくて。それに今から教職をとることは、基本的に考えてないんです。

Y: なるほど。教職をもっていないから、直接的な教育よりも倫理系へと必然的になるんだね。

では、人とうまくやっていくことは得意ですか?国際協力の世界では、コミュニケーションスキルが必要といわれているのですが。

P: うまくやっていく、という意味ではコミュニケーション能力があると思うのですが、相手を説き伏せたりというのは苦手です。

Y: なるほど・・。微妙だよね、これ。

P: (笑)

Y: 英語は得意?

P: 文法問題を解くのは得意です。

Y: TOEICTOEFL 、受けたことある?英検は?

P: いいえ。

Y: 英会話スクールにいったことは?

P: 中学校の時にお友達のお父さんがアメリカの方で、英会話スクールを開いていたので、遊び半分で行っていたくらいです。

Y: 英語で議論とかディベートはできる?

P: 絶対無理です。

Y: 外国に友達はいます?Eメールなどで英語のやりとりは?

P: 中国に大学の友達がいるけど、日本語が喋れるので。英語ではやりとりしません。

Y: 英語を勉強する気はある?英会話スクールに通う予定は?それよりも、大学院の授業料か?

P: そうです(笑)

Y: 順番的には、そうかもしれないな。わかりました(苦笑)ちなみに大学院は教育系に行きたいの?

P: いいえ、やはり「開発」に興味があるので。

Y: 開発と言っても、開発政策学、開発経済学、開発教育学・・・

P: それです。

Y: 日本で勉強したいの? 外国へいくの?

P: たぶん、どちらが近道か調べてみて・・・でも、やはり海外では何もできない気がするんで。怖い気がするんですよ。

Y: ということは、日本ということだね?大学院修士をとるには日本だと2年かかるけど、海外だと1~2年というのは知ってる?アメリカ、イギリスだと、1年でとれるところもある。オーストラリアとかニュージーランドは2年だけど、学費も物価も安い。欧米の半分ぐらい。ただ、海外の大学院に行くには、英語がペラペラでないといけない。

あなたのような人の場合、英語が話せないから、通常外国人の学生のために事前にESLスクールとかいって、これはEnglish for Second Language の略だけど、各欧米の大学が、英語や英会話を勉強するコースを半年から1年ぐらい組んでくれていることが多い。それを勉強した後に、授業を聞いてもわかるようになってから、本番である大学院の授業を受けるんだ。ただ、ESLスクールに最初に入ると、結局2年かかるから、そういう意味では、同じかもしれないけど。

今のところ日本の大学院を考えてるようだけど、どこを考えてるの?

P: 特には・・

Y: 少しでも聞いたことがある大学名は?

P: 一緒に働いてる人が大学生の人が多くて、そのうちのひとりが東京工業大学。その人が経済開発の院に入ったので、そこでどうやら教育もあるようだ。と話しを聞いてるんですけど。あとは、先生の本を読んで、名古屋大学などでもやってるのか、と。

Y: 国際開発ジャーナル社から、毎年10月ごろにでる「国際協力ガイド2008」という本が、一番使える。日本にある開発系の大学院ならほぼ網羅されているよ。あとインターネットを使った情報収集はやってる?

例えば、メールマガジンの、「国際協力マガジン」全般的、「クラブJPO」国連に入りたい人向け、「ODAマガジン」日本政府系、「JICAメールマガジン」JICAの情報、「IDJ国際協力キャリアナビ」 一応、総合だが、ODA系が強い、「NGO/NPOウォーカー」民間、NGO中心、「JANIC」民間、ネットワークNGOなどがあるよ。これらからメールマガジンを配信してもらってる?

P: いいえ。

Y: 必ず登録して、配信してもらったほうがいいよ。情報がいっぱい入るから。NGOは、考えてるの?

P: いえ、やはり生活を考えると・・・

Y: では国連系と政府系だよ。国連系のクラブJPOは知ってる?国連に入る方法は9通りもあるけれど、その中で一番確率のいい方法が、「JPO試験」なんだ。これに通るための様々な情報を集めるのに適しているのがクラブJPO(※1)、というメーリングリストだ。これには、入ったほうがいいよ。
(※1)JPOとは、Junior Professional Officer の略で、日本人の国連職員を増やすために、外務省が作った制度。外務省が給料が負担し、国連で日本人が働く枠を作った。日本人だけが受験の対象なので、世界全体の人がライバルである国連競争試験などより確率が良い。受験資格は、35歳以下の日本人で、英語力・大学院修士・年によっては2年間の海外勤務経験も。ともかく、国連に入りたい人は、普通、まずこれを目指す。

章: 1 2 3 4