NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト
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「国際協力師シンポジウム@世界と恋するおしごと」
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質問タイム2 国際協力の仕事と家庭の両立は?
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山本:ええと、これは、皆さんに質問ですね。全員ですね。
国際協力をやっていると、ご家族の…お母さんやお父さんの高齢化、
まあ老いていったりしてですね、体調悪くなったとか、
不幸があったりという問題があって、国際協力の仕事をしづらくなるような、
家庭の事情が生じる可能性があるんですけれども、
そういった場合どうしていますか?どう対処していますか?
じゃあ、順番に廣澤さんから。
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廣澤:まだ、私は、その経験はないんですが。
JICAは先程申しました1400人日本にいますけれども、
その中にそういう問題を抱えていらっしゃる方は、ご両親の介護とかですね、
お子さんの事とか、いろいろあるんですけれども、
そういう面では幸運なことに、JICA職員は半分くらいは日本で勤務して、
日本から国際協力を行っていますので、そういった方々に対する配慮というか、
そういった方が利用できるしくみ、国内勤務を希望するとかですね、
そういったような仕組みは、比較的とりやすい体制には、
なっている組織だと思います。
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山本:なるほど。JICAは、国内機関もいっぱいあるんだもんね。
廣澤:そうですね。はい。
山本:あ、そうですか。
いいわ。ぜったいいいわ。
じゃあ、次。うらやましいですね。
会場:(笑)
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柴田:はい。ええと、あの。おっしゃるとおり、難しい問題だと思うんですけれども。
やはり、我々団体のように、いわゆるNGOで支援の一線にいようと思うならば、
やはり難しいと思うんですね。
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で、私、父も2年間アフガニスタンで駐在をしていたんですが、
今は東京ベースになっていまして、
それは私自身のひとつの個人的な家庭の事情がございまして、
基本的に、もし自分がNGOにキャリアをもっと極めるならば、
もう1回、現場の経験を駐在というかたちで現場にはりついて、
やりたいと思っていたんですが、
まあ、ちょっと事情で、それはできない、ということで、
東京ベースで、出張ペースで現場を助けるというポジションにいます。
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なので、ただ、国際協力に関わりたいという心があれば、
その関わり方はどうでもいいと思うんですね。
その現場に本当に行くっていうやりかたもあるし、
東京で私のようなポジションで、東京からサポートするポジションもあるし、
海外に行けないということであれば、NGOであれば東京の例えば、
会計とか、管理部もありますので、
ほんとに、そういうバックサポートで、東京にいるっていう立場もあるし、
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それも難しいのであれば、べつにですね、そういう団体に勤める必要はなくて。
例えばボランティアをちょっとしてみるとか、
たぶん後で話もあるようですが、フェアトレードで物を購入するとかですね、
寄付をするとか、いろんなかかわり方があると思うんで、
私自身は、その関わり方は変わるけれども、
おそらく業界にはいると思うんですが、関わり方を変えれば、
たぶん自分の生活のスタイルであるとかに合わせて、
ちょっとずつ変えていくんだろうなっていうのは、思っています。
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岡村:私、個人的に、ですね、父親が具合が悪くてですね、2、3年後にもしかすると、
介護が必要になるかもしれないなあという状況なんですけれど、
今は大丈夫なんですが。
それを考えるとやっぱり、かなり難しいんですよね。
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特に私のいる組織は、本部がニューヨークにあって、
東京の事務所に10人しかいない。
その中で、私のような立場で、国際職員として動いている人は、
3、4人しかいないので。
はっきり言って、5年以上そこにいることって、ほとんど不可能なんですよね。
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って、いうことは、私も次、転々としていく状況を考えると、
いったいどうしたらいいんだろうって思うこともあるんですけれど、
今の段階で、私はまだ、2、3年猶予があるので、
もうちょっと経験を積んで、日本に帰ってきて、
経験をもとにしてできることをさがしたいなと思っているんですね。
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で、それと同時に柴田さんが言われたように、
いろーんなかたちで、その気持ちさえあれば、
国際協力に関われる場所はたくさんあって。
実はこの業界はすごく狭いので、人材、必要とされていると思うんですよね。
できることたくさんあると思うんですよね。
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て、いうことは、逆に自分を売れる、売り込める場所もたくさんあるし、
やれるかたちでやっていく。
意味のあることもたくさんやれる機会があると思うので。
そういう意味では柔軟に考えていって、
今やりたいことを一生懸命やって積み上げていく。
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で、ものすごい、面白いというか、変な経歴を転々としている人もいますし、
要は、はっきり言って何でもありっていう業界なんですよね。
だから、あの、一つのところに大企業に勤めて、
そこでずっと上がっていくというラインがまったくないですから。
こういうふうに、ジグザグ走行している人たちばっかりですから。
なので、自分もすごい気が楽な部分はありますね。
なんでもいいのかなっていうのは、そういう感じです。
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山口:私はちょっと、違う観点で申し上げたいんですけれども。
おそらく日本においてですね、そういうことをしようというときには、
そうとう私を捨てる必要があるんじゃないかなというふうに私は思います。
私は、山本さんなんかを見ていると、わりと、そういう感じがしますけれども。
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家庭の幸せとですね、自分に課した使命を両立させることは、
たぶん日本の場合は難しいんじゃないかなと。
ここにいらっしゃる方は、極めてまれなケースで、
まあ、ある程度、給料もらえるところにいるわけですよね。
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でも、多くのNGOっていうのは、いってみりゃ、12、3万の給料でやってて、
それで、現地行っててと。いう状況の中で、
お父さん、お母さんの面倒までみれますかっていうのは、
なかなかみることは難しいと思うんですね。
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今んところ、ここに至るまでの日本のNGOっていうのは、
お坊ちゃん、お譲ちゃんのですね、お金持ちの息子、娘の世界でありましたし、
だから、そういう段階に、まだそういう段階だと。
いうところが、あると思うんですよ。
そういう人は、まあそれでいいと。
そうでない人に関しては、そうとう私を捨てる必要があるんじゃないかな
というのが、私のわりと率直な感じですね。
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