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政府機関 03 青年海外協力隊帰国後 女性

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その5. 青年海外協力隊員としての活動内容

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壽  まー比較的カイロ周辺とかの観光部、都市部と、田舎があるんですが、どちらに?

山本 はい、私の方はポートサイドといいまして、カイロから約200キロ離れたところに。

壽  どっちに。

山本 上。

壽  北?

山本 はい、北。地中海沿いの街におりました。

壽  そこはもう、海外船がつくような港があるので、その周辺は潤ってる感じですね、海外・・・。

山本 ヨーロッパとの貿易が多いと?

壽  そうです。過去はあったらしいんですけど、だいぶ廃れたとは言ってましたけどね。

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山本 ふーん、あの辺はあの昔の移住の関係でイタリア人、ギリシャ人、いわゆる昔のローマ人がですね、多くて、アフリカンよりもヨーロピアンが多いと聞いたことがあるんですが、どうですか。

壽  うーん、うん。そうです。あのー下のアスワンとかルクソール行ったらもうそのものだと思うけど、上の方はヨーロピアンぽいし。でも私の周りにハーフみたいな人はいませんでしたね。

山本 ふーん、割と住みわけてる感じですか。

壽  えー、ポートサイドに限って言えば、住み分けてる感じはなかったです。

山本 あー、混在してるって感じで。

壽  はい。別にそこまでじゃなくて、ちょっと地黒かなって言う感じなんで。

山本 じゃ、メインはアラブ人中心。

壽  はい、アラブ人。

山本 イスラム教の。

壽  はい、そうです。

山本 わかりました。

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山本 で、仕事の種類ですね。えっと、どこで何をしてました?

壽  はい、そのポートサイドにあるママジザ幼稚園という幼稚園に、もう普通の、一保育士として入りました。

山本 なるほど、そういう職種もやっぱりあることはあるんだね。あのー実は医療系であれですけど、看護士さんの募集があったときに、あー実は直接看護士は、患者さんを見たいっていう人が多いにも関わらず、実際行ってみると、あのー看護士の先生を、現地の看護士を教える先生とか、あとはいわゆる公衆衛生的な、あの手を洗いなさいよとかいうことをやらされるケースが看護士の案件では多くて、半分以上がそっちなんですよね。

壽  えーえー。

山本 要するに、私は直接患者さんをアフリカで看たいのよっていうのが実現できなくて、っていうギャップがあるっていうケースが多いんですけれども。じゃ、あの壽さんがやったのは、直接子どもを自分で教えると。

壽  はい、子どもに直接、そうです。

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山本 現地のスタッフを養成するとかいうのではないということですね。

壽  一応案件の中にはあるんですけど。実際現場に入ると、私は一保育士として扱われました。

山本 あーそれはうらやましい。うらやましいというか、あのー直接みたい人から見るとうらやましがられると思いますね。

壽  そうですね。どっちもどっちなんですよ。それだと子どもにはいいんだけれども、結局、まー別にそこまで変えるつもりもなかったんですけど、保育士に対しては、なんか小娘が、アラビア語拙い小娘が一緒に来て、私たちと一緒に働いてるわって感じだから。私がこう何か言っても、ふーん、日本ではそうなんだ、で?みたいなそんな感じになっちゃうんで。子どもにとっては良くても、指導者としてはちょっと弱いかなって感じですね。

山本 なるほど、わかりました。

壽  はい。

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山本 まー前、紙もいただきましたけれど、結局あのー子どもで、日本型の保育をやってたんですか。それとも・・・。

壽  いえ、えーっとですね、向こうは授業というものが成り立っていて、私の幼稚園は特に勉強を厳しく教えるところだったんですよ。

山本 あ、そう。

壽  はい、エジプト全体そうなんですけどね。まー英語の・・・

山本 何歳とか何歳に教えてたんですか。

壽  えーとそこにいるのは、0歳から、まー3ヶ月児から就学前までいたんですけど。

山本 6歳くらいまでってことですか?

壽  はい、そうです。実際私が関わっていたのは、2歳から6歳まででした。

山本 なるほど。

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壽  授業が実際あるのは3歳から。まー3歳児、4歳児、5歳児。年少、年中、年長ですね。

山本 なるほど。それでそのー、アラビア語のこのニョローっとしたアルファベット・・・

壽  教えてるんですよ

山本 右から左に書くやつを教えるわけですね。

壽  はい、私じゃなく、その担当の先生。

山本 そりゃそうだよね。

壽  英語の先生、アラビア語の先生、宗教の先生、算数の先生、あとコンピューターの先生も居たんですけど。各授業が、何時から何時まで英語っていうのが、ちゃんと時間割であるんですよ。

山本 なるほど。

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壽  で、私は、あのーそのときは意識しなかったんですけど、後で訳したら趣味の時間とかっていうふうに(笑)私の時間割になってたんですね。なんじゃ、そりゃ?とか思いながらも、私はその中で・・・。うーんとね、いっつも本当に子ども、いーい子に座ってるんですよ、じーっと。なのでまー遊びを中心として製作をしたり。

山本 はい、せ・・・、製作ってなんですか。

壽  あ、そっか、普通に・・・(笑)図工ですね、をしたり、体育をしたりしてました。

山本 図工というのは色々考えられますが、具体的には何を。

壽  はい、そう。もともとその子たちにはベースが何もないので、鋏を使ってももちろん危ないんですね。なのでえーっと、ま、簡単にのりを使ってちぎり絵をしたり。

山本 なるほど。別になんか紙に、色々な紙を与えて、ちぎってなんか絵みたいなものを貼り絵で作るとか。

壽  そうそうそう。あとは折り紙。

山本 はい、日本の。

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壽  で絵の具を使ってお絵かきしたり。運動遊びで言えば輪を作ったんで、それでけんけんぱとか、後は長縄や、缶ぽっくりって知ってます?

山本 知らない。

壽  缶を・・・

山本 缶けりじゃなくて?

壽  缶けりじゃない。缶をここにおいて、紐をつけて(ジェスチャーで動く動作をしながら)ぽっこぽっこぽっこって。

山本 あ、知ってる、知ってる、やったやった、昔。知ってる、知ってる。竹馬じゃなくて・・・

壽  そうそうそう、竹馬のなんか前段階みたいなやつ。はい。

山本 まー空き缶を使ったその竹馬のやつね。

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壽  遊び。普通のいえばシャボン玉とか、そういう本当に遊びを。

山本 ほーほー。広い意味での遊びっちゃ遊びですよね。

壽  かっこいい言い方をすれば情操教育。

山本 情操教育、まあね。色々シュタイナー教育とかモンテッソーリとかありますからね。あのーわかりました。

壽  はい、普通に読み聞かせとかね、紙芝居を作って、紙芝居を読んだり。あと手遊びって言って、歌いながら手を使って遊ぶって言う。

山本 あー、なんか見たことあります。紙芝居を使って紙芝居をやるのはこれ、あなたが作るんですか?

壽  私がつくります。

山本 生徒に紙芝居作らせるわけじゃないですよね。

壽  はい、違います。

山本 そこまではいかないですよね。

壽  はい。何か行動に移る前段階に私に集中してほしいので、その道具として話してました。

山本 なるほど。それを一応、現状に訳すと趣味という枠で、あのー教育の一部としてやっていたということですね。

壽  そうです。

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