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政府機関 03 青年海外協力隊帰国後 女性

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その2.青年海外協力隊に応募を決める

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山本 でー興味持ったのは、応募しようかなみたいに思ったのは?

壽  は、私が大学、あ短大2年間行って、その後にそのまま私はスムーズに保育士や幼稚園の教師になるのが嫌だったんですよ、なんかレールに乗っちゃったような感じで。本当に私はこれでいいのかなって思ったときに、もう1年、短期大学の、大学で言えば大学院みたいな、短期大学の専攻科ってところに1年間行ったんです。そのときにベトナムに行きまして、そのときに初めて物乞いというものを、子どもの物乞いや、よくあるような、板の上の胴体だけのおじさんがはいつくばって、移動しているようなものとかも、初めて見たんですよ。

山本 なるほど。

壽  あのときのショックは、本当に・・・もう。でー、私は将来この子達を助けたい、将来って。もう有志のように思いましたね。

山本 なるほど。

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壽  で、日本に帰ったらたまごっちが、初めてのたまごっちがブームだったんですよ。

山本 あー、懐かしいですね。ゲームボーイの前くらいか?と同じくらいかな?初代ゲームボーイくらいかな?

壽  どうだったかな。そのギャップで、また私はあの子達のために何とかするって思いました。

山本 なるほど。

壽  そのためには、よし、保育士になろ!って決心し、実務経験を積むんだー。

山本 その段階ですでに短大と専攻科を終えてたから、保育士のなんていうのか、資格みたいなものは持ってたんだよね?

壽  はい、とっくに持ってたんです、そのときは。

山本 ベトナム行って物乞いの子どもを見て、モチベーションがついて、じゃ、いざ本当にやろうと思ったってことですね。

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山本 でそこでそのー、じゃ1回JICAの青年海外協力隊の説明会を聞きに、その段階で行ったわけですか?帰ってきてすぐ。

壽  いや、それのとりあえず実務経験と思って、2年間くらい就職してからたったときに。

山本 それは静岡のどっかですか。

壽  神奈川で勤めていたので。

山本 え、そうなんですか。

壽  はい、鎌倉にいたんですよ。

山本 ほーほーほー、えっ、本籍は?

壽  は、島根です。

山本 本籍島根?出生地が島根で・・・

壽  ほんとにうち、転勤族なので。

山本 そうですか。

壽  あんまりあのー、私の故郷っていうものがないんですけど。

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山本 あれ、大学何県でしたっけ?

壽  は、神奈川県です。

山本 あーそうなんだ。なるほど。で、就職も神奈川県で。えー、わかりました。で、2年間就職していましたと。どっかの幼稚園に。

壽  保育園に。それもちゃんと公立保育園をわざわざ選んだんです。それは現職参加というものがあるって、大体なんか思ってたので。

山本 あー、青年海外協力隊に現職参加制度があるから。

壽  そうそうそうそう。

山本 っえ?こないだまで行ってたやつは現職参加で行ってたんですか?

壽  (思いっきり首を振る)結局は・・・(笑)

山本 ま、それはちょっと置いておきましょう。それはまた話が飛ぶんでおいておいて。

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山本 で2年間、公立の神奈川の幼稚園で・・・

壽  保育園で。

山本 やりましたと。で、どうしました?

壽  それから説明会に行って、あーやっぱり実務経験が必要なんだなって思って、で、帰ってきて。

山本 それは要するに各国からの案件を見ると、実務経験が例えば5年以上とか書いてあるのが多かったっていうことですか?

壽  っていうわけじゃなくて。そのときにOB・OGとの懇談会がちょっとあるんですよ。そのときにすいませんって言って質問したら、「あのーどうしてあなたは受かることができたんですか」って聞いたら、「あー私は・・・」その人は看護士だったんですね。「私は6年間勤めてたから、多分、その実務経験が買われたんじゃないかな」って言って。それが頭に残ってて。

山本 なるほど。

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  これはもっと専門性を高めないといけないんだなって。

山本 やっぱあれだよね、会った人から言われた一言っていうのが、いかにその人の人生に影響するのかっていうことですよね。私もちょっと気をつけます。

壽  (笑)あー、でも山本さんの話もその中に入るんですよ、その後。

山本 っえ、まー、いいや。

壽  私のきっかけが・・・(笑)

山本 そうなんだ。まーいいや、それはちょっと置いといてですね。戻って、なんだっけ?

壽  それで、説明会に行って・・・

山本 OB・OGに会ったら、看護士さんが6年間実務経験が必要だって言った。

壽  そうです。

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壽  それで、そっかー、でも受けたいなーって思ったときに、たまたまちょっと友達と飲んでて、そのときに、私、なんかそういうね、発展途上国に行きたいんだーって言ったら、何、そんな遊び的なことを言うのって。

山本 なるほど。

壽  向こうの人たちは本当に援助を必要としてるのに、そんなちょっとこう、旅行に行きますみたいな軽い気持ちで何言ってんのって言って叱られて、そこで悔しいから大喧嘩したんですね。私はなんて遊びに考えていたんだ・・・って思ったときに、ダンっ!(効果音を自ら)あの『世界で一番命の短い国』の中の一説に、意外と国際協力のボランティアをしている人は、こう、ちょっとなんかいいことしたいなっていう人が、意外と続くんだよっていう節があるんですよ。このページのここ!(身振りをつけて左端にあることを強調)

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山本 はい。あー私、14個くらい書きましたよね、国際協力をやってる理由。

壽  そうです、そうです、そうそうそうそう。その中の一節をこう見て、あ、なんだいいじゃん、別に私でも。

山本 まーそうです。

壽  で、それが受けた最終的なきっかけにつながってます(笑)。

山本 すみません、すみませんでした。

壽  (笑)

山本 で、えーっと、なるほど。友達とけんかした後に、私の本を読んで、まーこれでもいいんじゃんと、ちょっとやりたくてもいいんじゃんと思ったと。

壽  そうそう、それがちょうどそのタイミングの。そのとき5年半くらい、あ、違う、5年くらいだったんです、実務経験。

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山本 ちょっと待って、短大卒業して20歳くらい?

壽  ううん、そのとき専攻科も行ったから21です。

山本 1年の専攻科行ったから21。その後実務経験が6年ということは・・・

壽  27のときに行ったんです、協力隊に。

山本 なるほど、わかりました。で、春か秋、どっちで応募したんですか。

壽  私は秋・・・?違う、春か。うん、春ですね。行こうと思えばもっと早く行けたから、春です。

山本 なるほど。春か。じゃ、3月くらいにやめて・・・

壽  やめる前に密かに受けて。

山本 えー、やっぱし、まーそうだよね。

壽  うん。で、受かって。

山本 受かってから、じゃ、やめようという話をしたと。

壽  うん、はい。

山本 現実的だね。

壽  そうです。

山本 そりゃそうだよね。

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山本 それは公立だったんですか、私立だったんですか。

壽  公立です。

山本 現職参加制度は何でダメだったんですか。

壽  これは、公では・・・。

山本 あ、ちょちょちょっと言うと、現職参加制度の方が、月給がですね、100%はいかなくても6、7割、8割くらい保障されることが多いので、給料の値段がいっぱいもらえるってことで、おいしいはずなんですが、なんでだめだったんでしょうか。

壽  (激しくうなずく)はい!やっぱり今、民営化、民営化って保育園は叫ばれてるんですね、公立保育園は。そういう現状の中、だんだん新卒採用を入れなくなったんですよ。

山本 ほう。

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壽  で、その空きが出た部分は、アルバイトの方で補充してたんですね。もし私がいなくなったら、採用課に問い合わせたところ、職員課か・・・。私がいなくなってもアルバイトを採用するから、正規の職員としては扱われないんですよ。だから自分、彼女の、彼女じゃなくても、アルバイトさんは一人で担任を持つことができないんですよ。半人前みたいな感じの扱い。結局はもう一人補助に。誰かしら正規がいなくちゃいけないんですね。

山本 要するにあなたの籍は置いておくことはできないってことですね、簡単に言うとね。

壽  はい、そうですね(笑)そういう現実がやっぱりねー、一瞬、いいかなって思ったんですけど、いや、ちょっとなー、そういうのを見ててどうかなって思ったのと、やっぱりこの公務員というぬるま湯生活にちょっと嫌気がさしてたんですね。

山本 なるほど。地方公務員ですよね、一応。

壽  そうです。

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山本 んー、なるほどね。ちなみに月給は、え、27万とか?

壽  意外ともらえないんですよ。(手を振る)

山本 22万?

壽  ん、22万くらいですね。

山本 どっちが?手取りが?それともその前が?

壽  えっとねー、手取りで言えば22万か。

山本 手取り22万。じゃ、社会保険とか引かれる前は・・・。

壽  25くらい。

山本 なるほど。ま、あーそうですか。地方公務員ってもうちょっといいもんかなって思ってたんですけどね。

壽  そうなんですー。

山本 神奈川県あたりだったらね。

壽  保育の世界ではいいです。

山本 なるほど。

壽  保育の世界では普通の、一番初めの額面で19とか20で、それが下がって結局手取り16、17なので。

山本 それに比べればいいんだけれども、思ってたよりはってことですね。わかりました。

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