NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト

.

企業CSR01 フェアトレード マザーハウス 山口絵理子

.

その4.事業の計画から、最初のバッグの完成まで

小島「ちょっとまた話がはずれてしまいましたが、

この事業のプランはいつ頃から考え出したのでしょうか?」

山口「2005年の6月です。」

小島「ちょうど1年と3ヶ月ですか。

実際やってきて努力してきたこと・やってみて自分で学んだこと・

失敗したことっていうのは何かありますか?」

山口「はい。山ほどあります(笑)。

2005年6月からというのはバングラディシュで事業やりたいと思って

工場探しを始めたという流れなんです。

実際生産が始まったのは12月か1月です。

そのときくらいまではものをつくるというより、

日本に持って帰るっていうのがもう精一杯でした。

実際に作って売り始めてた後に結構大きな講演があったのですが、

今までの思いや経緯などを皆さんが共感してくれ、感動してくれたのですが、

販売に結びつきませんでした。講演とか聴くと買ってくださる方

たくさんいるんですけれども、そのときにはいなくて、あれ?って、

今まで私はストーリーとか思いとかに頼りすぎてたことを痛感しました。

実際、販売するにあたってあまりにもバックについて無知な自分に気づきました。

もっとバックのことを知ろうと思い、私はバック学校に通い出しました。

先生は、15歳の頃から、ずっと皮に触っているっていう鞄一筋という

職人のかたで、毎週叱られながら少しずつ学びました。

それと同時にマザーハウスでは

バックのデザイナーや営業担当者などを雇用しました。

またボードメンバーといって、広告や小売など専門分野の仲間とともに、

マザーハウスは新たな展開を始めました。

そういった社員みんなに支えられて現在にいたります。

スタートは0でいいと思うんですよ。

少しでも今の日本の技術をバングラディッシュに持っていきたい。

工場の品質の向上に徹するためには決して妥協してはいけない。

それを再確認しました。」

小島「山口さんのポジションっていうのは、

バック屋さんとしてのどのポジションになるんですか?」

山口「私はバックの経営者。

今、学校で学んでいるのは、あくまでも最低限の品質管理、

チェック要素、素材の良しあしがわかるために勉強しています。

なぜバックなのってよく言われるのですが、私と同じようなターゲット層の方に、

同じように持ってもらいたいんです。

私が消費者ってことなんですね。

その消費者としての経営者。主観性のつまった商品。

それが持ってていいよねって思えるような物造り。

その先頭に立てる人になりたいというのが目標です。」

小島「カバンが一番初め出来たときどうでした?」

山口「工場長が出来た商品を渡すとき、

これがが僕達の今のベストだよ

って言われて、本当に感無量でした。

これでやっと持って帰れるんだって、単純にそう思いました。

販売してみてお客さんからフィードバックをたくさんいただき、

これからの商品の製作に生かしていくつもりです。」

.

.

.
次のページへ

.

NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト・トップへ

NPO法人 宇宙船地球号 メインサイト・トップへ