NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト

.

企業CSR01 フェアトレード マザーハウス 山口絵理子

.

その3.マザーハウスの理念、いつか学校を作りたい

小島「この会社の基本理念はありますか?」

山口「HPにも書いてありますが、生産者とお客様の両方に笑顔をということで、

今までのフェアトレードはやはり生産者側に

ちょっとより過ぎていたんじゃないかなって部分もあると思います。

大企業はお客様側により過ぎていたんじゃないかなって思って、

マザーハウスはちょうどその真ん中にいる。

だから、魅力的であり続けるっていうっていうのが目標です。」

小島「今は、より安いものをというふうになってしまいがちなんですけれども、

モノに対する価値観や、ものの見方がずれてきている気がするのですが、

そういったことにたいして、マザーハウスの生み出していく商品に対して、

コンセプトは考えてますか?」

山口「途上国発の商品をプロデュースして、日本から海外に発信していく。

   将来的には途上国のよい製品がそろった百貨店を創る、

それが私たち、マザーハウスの目標です。

その利益でバングラディシュに学校建設など、社会活動もやっていきたいですね。

普段のオシャレとか、皮かっこいいねってっていう感覚、

その先に国際貢献があったら、魅力的で、日常生活を送ることで

途上国と先進国のギャップっていうのが縮まる、この仕組みを本当につくりたい。

それが援助ではできないことだと思います。

行き詰った先に出た答えがマザーハウスの活動だったんです。」

小島「マザーハウスの名前の由来はあるんですか?」

山口「はい、マザーはマザーテレサ。

ハウスが、私が住んでいたボロボロのアパートの前に寝ていた

ストリートチルドレンがいたんですけれど、

彼らが安心して暮らせる家があったらなって。」

小島「途上国発のブランドで成功した暁にはどういうことがやりたいですか?」

山口「やっぱり学校建設ですね。

それが私の使命じゃないかなって思っています。

小学校の頃や、大学のとき考えていた楽しい学校をつくる。

それがマザーハウスの収益でできればいいですね。」

小島「具体的にどのような学校にしたいですか?」

山口「向こう行って商社で働く前に、現地のNGOの人たちと学校建設に関わっていました。

そのときに現地のことって現地の人でないとわからない。

もっと狭くいえば現地のその村の人じゃないと

社会行動とか生活行動とかわからない。

現地のことというのは、

現地のNGOやなんらかのパートナーを組んでやるっていうことと、

もう一つ実感したのは学校を卒業してもその先が見えない。

その先がまったく保障されていないんです。

みんなに卒業したらどうしますかと訊ねたことがあるんですが、

みんなダッカに行きたい。首都に行きたい。

行けばなんとかなるだろうって思っていました。

そうしてダッカの人口密度が高まっているんです。

しかし結局、職が見つからずみんなスラムに住んでいるわけですよ。 

学校ばっかり乱立しても労働がそれを吸収しなかったら、何にもならない。

大学院まで卒業してもそれだけの知識環境に育ってない。

そのリンクっていうのを絶対にしないと、

教育の意味って薄れてしまうとおもうんです。

だからここに入れば 就職先がみつかるという学校をつくりたい。」

小島「今、日本の専門学校で うちの学校に来れば100%どっかいけるぞって。

でもODAと同じで、結局甘えてしまうじゃないですか?

資格さえあればいい。

でも実際に現場に入ってしまうと、資格は全く役に立たないわけですよ。

しかし資格とりました。だけど、じゃー、なんなの?ってことになる。

この機材扱ってみてよ。現場でやると、理論だけじゃない。

感覚、本当に人間の勘に近いようなものだと思うんですけれども。

そこでもちろん、そのー人間の適性っていうのはもちろんあるんですが。

結局適材適所ってところに、いかなきゃいけないって。

学校っていうのは、要はその色んなその人の才能、

例えば画家がいてもいいと思うし、その人それぞれが、

自分の思い描いているものを、

自分の力でかなえていけるような学校がいいのかなと思います。」

山口「はい、もちろんそうだと思います。

日本で大学のときに教育を勉強していたときに、哲学を専攻していて、

ルソーとか色々と勉強していたんですが、学ぶこと自体が人間の喜びでありなんか、

幸福でありっていうのを感じました。

しかし途上国の現状を見れば、それが直接収入に結びつかないと生きていけない。

やっぱりポイントだけで見ると

このような学校が必要だっていうのは実感しました。

その部分を改善できるような学校建設を目指しています。」

小島「あと、僕が思うのは色んな文化が薄れてしまう。

働くだけって、金だけになってしまいますし・・。

人間の欲求だけになってしまう。

例えばアフガニスタンとかだと、あそこまでいい文化があって、

利権争いの戦争起こって、今生きていくのに精一杯。

文化を継承していこうって人間がどんどんいなくなっている。

そういうことを考えると、ある意味仕事だけでもないし、

いろんな職業の人がいてもいいのかなと思います。」

.

.

.
次のページへ

.

NPO法人 宇宙船地球号 補足サイト・トップへ

NPO法人 宇宙船地球号 メインサイト・トップへ