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民間組織 02 日本赤十字社・事業局国際部 グランデさん、31歳

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インタビュー 中川

書き起こし 深井

校正 ご本人

監修 山本

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その8. グランデさんの業務

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中川 それでは、現在、グランデさんが行っている業務内容についてお聞きしたいんですか。まず活動してる国はどこですか?

グランデ 私の担当している業務ということですね?

中川 はい。

グランデ 赤十字の国際活動の場合、(1)緊急救援(国際救援)と、(2)開発協力(緊急状態でない通常状態の開発途上国への援助)という二本柱があって、その間をつなぐ、復興支援というのもあります。そのような事業を担当するのが、国際部の中の(1)国際救援課(2)開発協力課になります。

それから、国際部にはもう一つ、(3)企画課、というのがありまして、私はその企画課に所属しています。

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グランデ 業務内容を一言でいうのは難しいですが、例えば、先ほど申し上げた国際人道法に関することがあります。国際人道法の内容を日本国内で普及したり、あるいはそのことに関して海外とやり取りして、情報収集をしたり、あるいは教材を作ったりしています。それから国際赤十字の政策を決める国際会議に関することも担当になります。赤十字の最高議決機関といわれている「赤十字・赤新月国際会議」というのが4年に1回開催されています。そのような国際会議に関する準備、出張手配から始まって、その会議で日赤としてどういう発言をするかを準備したりします。

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グランデ それから広報活動としては、国際活動を紹介する印刷物を作っています。アドボカシー(唱道)では、毎年「赤十字シンポジウム」という、その時々の人道問題を取り上げるシンポジウムを開催しています。2005年にはスマトラのことを取り上げ、去年2006年はアフリカの貧困問題について議論しました。

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グランデ ただ、入社して最初の4年間は「(1)国際救援課」というところにいて、そのときには、カンボジアの地雷の被害者の支援をする事業を担当したり、あとはスペイン語をやっていたということで、中南米で発生した災害、コロンビアの地震エルサルバトルの地震、そういったところの救援活動復興支援の担当していました。

中川 初めに国際部に所属していらしたときは、実際に海外に行って活動することはあったんですか。

グランデ 基本的には東京での業務になります。東京で現地にいる派遣職員、あるいは現地の赤十字社や国際赤十字の人たちとの連絡を取り合うことになります。海外に行くとすれば、担当している事業をモニタリング・評価する出張という形になります。1〜2週間程度の出張が主でした。あとは緊急救援活動のときに、何回か派遣されたこともあります。

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中川 なるほど。現在の一日の流れを。もし決まっているような流れがあれば。

グランデ 決まった流れというのはないですが(笑)。朝9時が始業で、最初はメールチェックから始まります。書類作成の合間に打ち合わせが入ったりします。

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中川 ちなみに今日一日の流れは?

グランデ 今日一日ですか。社内向け資料を作成していました(笑)。

午前中にやったのは、「国際赤十字・赤新月社連盟分担金」の送金手続き用書類の作成でした。国際赤十字・赤新月社連盟は各国赤十字社の連合体ですが、そこでの事務管理費を加盟各赤十字社が毎年分担金という形で負担をしています。その送金手続きのための資料作り、社内稟議(りんぎ)文書の作成をしました。

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グランデ 午後からは打ち合わせでした。日赤内部の支部・施設の人向けに行う「国際人道法セミナー」に関する打合せです。その後、昨年10月の赤十字シンポジウムがあって、その報告書をそろそろ仕上げないといけないということで、業者からあがって来た報告書の校正、内容チェックをしました。

中川 なるほど。

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中川 話が少しそれてしまうんですが、入社されて初めに国際部で勤務されて、その後に総務関係のお仕事をなさっていたということだったんですが、そのときの仕事の内容を簡単でかまいませんので。

グランデ はい。いわゆる物品調達になります。具体的には何かというと、社内で業務をするにあたって必要になる物品の購入などを一括して行う部署です。それから税務関係もありました。

中川 なるほど。

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中川 働いていて嬉しいことは何でしょうか?

グランデ 嬉しいことですか(笑)。今、赤十字というところにいて、海外出張にも何度か行った中で思うのは、世界の各地に同じような考え方、同じ目標に向かって活動している仲間赤十字の仲間がいて、そういう人たちと出会えること、一緒に仕事ができるというのは、この組織のいいところだなって思いますね。

普段からそういうことを意識して活動できるというのは、一つ大きなポイントですね。

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中川 現在の業務は、他の組織から評価を受けることはありますか?

グランデ この評価というのは何か批判を受けるとか?

中川 そうですね、そうですね。例えば、んー、分かりやすくいえば現地…、途上国での活動で、人材を育成するという面であれば、ちゃんと、例えば数値が決めてあってそこに達成できたのかとか、客観的な視点から見てどうだったのかということにあたるんですか。

グランデ もちろん自分たちの活動の事業の評価をする時に、外部の人に評価に加わってもらうということはあると思います。

中川 ありがとうございました。

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