NPO法人・宇宙船地球号は、「本当に意味のある国際協力・社会貢献」を目指して活動を続けてきました。そのため時代の変化とともに活動内容が変化しております。創設時の内容とは大きく異なってきたため、「目的と理念・これまでの経緯・現在の活動内容など」を、(理事長兼事務局長の)山本敏晴のブログにて)説明させて頂きます。こちらをクリックして頂ければ幸いです。 ... 以下は、創設当初の理念の為、現在の活動内容とは大きく異なっております。上記の「こちらへ」をクリックして頂ければ幸いです。 ... 小学校の時、南アフリカ共和国の人種差別問題を目の当たりにして以来、私は国際協力の世界に興味がありました。そして世界各地を旅し、写真家として撮影を続けながら、「本当に意味のある国際協力」についてずっと考えてきました。しかし、なかなかその道に踏み込もうとはしませんでした。 「私が開発途上国へ行き必死に医者として働いても助けられるのはせいぜい数百人。 年間数百万人が飢えや病気で死んでゆく現状の中で「焼け石に水」ではないのか? それに、半年なり2年なりして任期が終わり、「ああ俺はよくやったな」と思い、「自己満足」して結局日本に帰ってきてしまっては、その国は元の状態に戻ってしまう。」 「近代文明(を押し付けること)によって開発途上国を開発すれば、経済は成長しGNP(国民総生産)という数字は上がる。西洋医学を使えば死亡率は下がるかもしれない。しかしそれ で本当にその国の人たちは幸せになるのだろうか? 農業をやっているだけでも、寿命が短くても、幸せな人生があるのではないだろうか?」 こんなふうに考えていたのです。 ところが、三十歳を越えた頃、ふとこう思いました。 「現地にいる医療スタッフを徹底的に教育し、私と同じレベルの医療ができるまでに 育てあげる。そうすれば彼らはその国でずうっと医療を続けてくれる。そして将来、 数えきれないほどの人たちを救ってくれるに違いない。」 「また西洋文明の押し付けにならないように必ず現地の言葉を覚え、相手の国の歴史や文化を理解し、それにあった形での国際協力を考えれば、少なくとも一方的な押し付けにはならないはずだ。」 こうした考えを現場で実践するため、まず私は医療援助を始めました。平均寿命34歳というアフリカの小国シエラレオネに行き、現地の言葉を覚え、医療活動の合い間をぬって教育を病院スタッフに行いました。この国の7割以上の人は学校に行っておらず文字の読めない人たちでしたので、そうした人たちを日本の看護師さんレベルに育てるのは困難を極めました。しかし、毎日のトレーニングと定期的な試験により、私が帰国するまでには十分な医療技術を習得できたと思っております。この結果、それから数年経った今でも、良好に運営されている病院を残すことができました。 その後中東のアフガニスタンにいきました。 今度も同じように言葉の習得、医療、そして教育をしました。ところがこの国では今でも内戦が続いているため、せっかく 建てた病院が壊されそうになったり、がんばって育てた医療スタッフが殺されそうになりました。結局「未来に残る、意味のある国際協力」をするためには「戦争をなくすこと」(政治の安定)も非常に重要だと私は気づいたのです。 また我々国際協力団体は(それが国連であろうが政府系であろうが、民間(NGO)であろうが)5年もしくは10年が経てばやがて必ずその国から撤回します。その後、自分たちが建築してきた病院などを現地政府に引渡しをすることになるのです。 ところが、アフリカにしろ中東にしろ、政府には経済力(予算)がないため、毎月の病院スタッフの給料や毎週届けなければならない医薬品やその運送料を支払うことができません。つまり我々が撤退した後、(事実上)病院たちは荒廃していってしまうのです。よって、これを防ぐためには、現地政府か、あるいは地元の村(などの地方自治体)を経済的にある程度発展させ、自らの力で病院を運営できるまでに育てなければならないのです。 一方、義務教育の普及も大変重要です。内戦中の開発途上国では、7割以上の人が 義務教育を受けていないことが多く、このため識字率は3割以下です。こうした状況 では、医者や看護師はおろか、学校の先生なども育てられません。義務教育は全ての 基本であるといえます。 さらには環境問題への配慮も必要です。その国で行ってきた援助が、本当の意味で 未来に残っていくためには、その土地の風習に適合し地元の人から受け入れられており、公害などの問題も起きないように、環境や他の生物(生態系)への様々な配慮をしなければなりません。 以上まとめますと、「未来にずっと続いていける、本当に意味のある国際協力」を 実現するためには、政治の安定、経済援助、義務教育の普及、医療と公衆衛生の改善、環境問題への配慮、という五つの項目を、すべて同時に考えなければならない・・・というのが現在の私の結論です。 こうした膨大な内容を目の前にした時、当初私は途方にくれましたがそれでも現在いくつかの方向性を見出せるようになってきました。それは、以下の三つの活動です。
「世界共通の教科書を作る会 」 All Children's Textbooks for the World : ACT for the World
こうした状況を改善するためには、世界にはさまざまな考え方の違いがありますが、それ以前の問題として、人を殺してはいけない、他人のものをとってはいけない、 などということは、人間としてあたりまえの「約束」である、また、そうしたことは、あなたが異教徒と思っている違う国や違う民族の人たちも全く同じ教育を受けて、 同じ倫理を持っており、あなたと価値観を共有できない人たちではないんだということを、できれば、小学校低学年ぐらいのころから教えていきたいと思っています。 このために、小学校低学年むけの絵本のような教科書として世界の多様性を認め合い、相手の文化・生活風習を尊重する姿勢を教えた後で、人間の基本倫理と宗教・民族固有の生活習慣は別なものであると分けて説明し世界中の人々が共通に持つべき人類共通の価値観を説いていきたいと思っております。 この絵本は、世界202カ国語に翻訳し、世界中の子どもたちに無償で配布する予定 です(予算のある限り)。 なお、当会は、どの宗教にも政治団体にも全く関係ない、中立の立場で運営されています。
上記のような趣旨で作られた世界共通の教科書を作る会ですが、現在、メンバーが増えるに従い活動の幅広くなっており、以下のような四つの企画を立て活動しております。
山本 敏晴(やまもと としはる) 1965年12月8日生まれ。宮城県仙台市出身。 医師・医学博士・写真家・国際協力師。 1978年、南アフリカを訪れ人種差別に衝撃を受ける。 中学校の頃から途上国を中心に数十か国を訪れ、 一眼レフを片手に各地を撮影した。 一方、途上国を来訪中、 様々な国際協力団体の活動に触れ、 その活動に大きな疑問を持つ。 以後「本当に意味のある国際協力」 について考え続ける。 1990年、東京慈恵会医科大学卒、医師免許取得。 1996年、医学博士取得。 2000年より数々の国際協力団体に所属、 アフリカや中東で医療援助。 2003年より2年間「国境なき医師団」日本理事。 2004年、NPO法人「宇宙船地球号」を創設。 近年は(狭義の)国際協力だけではなく、 「持続可能な世界」の実現を目指すようになり、 三つの活動を続けている。 1.プロとして活動する「国際協力師」の養成 2.「企業の社会的責任」(CSR)の推進 3.人々に大切なものを問う「お絵描きイベント」 著書に、 『世界で一番いのちの短い国』、 『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 、 『国際協力師になるために』(以上、白水社)、 『世界と恋するおしごと』(小学館)。 写真絵本に、 『シエラレオネ』(アートン)、 『彼女の夢みたアフガニスタン』(マガジンハウス) 、 『あなたのたいせつなものはなんですか?』、 『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』、 『ルーマニア どこからきてどこくいくの』、 『HIV/エイズとともに生きる子どもたち ケニア』 (以上、小学館)。 主な写真展に、 全国キヤノンンサロン『ペルシアの末裔』2002 銀座ニコンサロン『天寿五年の瞳』2002 オリンパスギャラリー『平和という贈りもの』2003 新宿・大阪ニコンサロン『彼女の夢みたアフガニスタン』2004 全国キヤノンギャラリー『あなたのたいせつなものはなんですか?』2005 ペンタックス・フォーラム『沈みゆく島の大切なもの』2008 ペンタックス・フォーラム『ルーマニアの記憶』2010 新宿ニコンサロン『HIV/エイズとともに生きる子どもたち』2010 など。 映像作品に、 『お絵描きイベント・スリランカ編』2004 『お絵描きイベント・モンゴル編』2007 『ツバル 大切なものに導かれて』2008 『大切なものは何? ルーマニアの記憶』2011 など。 テレビ出演に、 NHK「クローズアップ現代」、「きょうの世界」、 「おはようニッポン」、「つながるテレビ@ヒューマン」、 テレビ朝日「徹子の部屋」、 など。